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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■そのうち隔離されるかな/アニメ『ユキの太陽』(宮崎駿)/『カルト王』(唐沢俊一)
 まあ、私がファンになったのはオウム追究側の人だったから、なんとか人倫に反する形にはならなかったが、当時、「ジョーユーさんってちょっとステキ?」とか言ってたやおい少女たちは確かに存在していたのだ(私の前だから、少し遠慮気味な言い方ではあったが)。
 我々は「悪趣味」に惹かれる。
 「オウムと我々は、対極にいて、そして実はつながっている」という唐沢さんの言葉を、もっと多くのヒトが実感してくれないと、世の中「正義漢」ばかりじゃ息が詰まっちゃうのである。

 あと、江戸川乱歩について書いた「江戸川乱歩は本当に『猟奇的』な作家だったか?」は、乱歩を未だに読んだことがない人が、「乱歩ってどんな人?」と知りたくなった時に、まず読んでもらいたい名文である。
 作品そのものに当たるんならともかく、ヘタに映像化されたやつとか、文庫の巻末についてるような他の人の評論に先に当たっちゃうとねえ、乱歩の作品の表層だけしか見えないってことになりかねないんだよねえ。
 乱歩の二面性を作品から指摘することだけなら誰にでも出来るが、ちゃんと乱歩のハゲコンプレックスや、横溝正史の『犬神家の一族』を、乱歩が作品を読まずにタイトルだけで貶したエピソード(これは正史の『真説金田一耕助』で語られる実話であるが、これをネタにして乱歩を批評したのは、私の知る限り唐沢俊一さんただ一人である)に触れて分析を試みる、という視点は唐沢さんの独擅場である。
 ……創元推理文庫さん、っつーか戸川安宣さん、今度『乱歩』の20巻を出すことがあったら、唐沢さんに文庫解説頼んでよ。

 『カルト王』読んでたら、ほかにも書きたいこといっぱい出てくるんだけど、これもキリがないからこのへんで。
 ああ、時間の余裕があったら、マジで『唐沢俊一論』単行本一冊分くらいは軽く使って書きたいぞ。別に唐沢俊一信者ってことではなくて、現代思想史において唐沢さんが占める位置は正当に評価されなければならないと思うからなんだけどね。

01月24日(金)
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