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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■You bet your life!/映画『とっとこハム太郎 ハムハムハムージャ! 幻のプリンセス』/『ゴジラ×メカゴジラ』
 もっとも、少しは誉めとかないと、コアなゴジラフリークにストーキングされちゃいそうだから、一応、「見応えがないわけではない」と言っとくけどね。ストーリーがあまり脇に逸れずに、茜を中心に対ゴジラの流れでまとめられてるってところはまあ及第点だろう。
 感心したのは、初め遠隔操作で動かされていたメカゴジラが、故障後、茜が乗り込む形で再起動する描写。やっぱり巨大ロボット(サイボーグみたいなもんだけど)はパイロットが直接乗って操縦しないと、迫力が出るもんじゃない。

 けれど、どうしても私には今回のゴジラもまた全体的な評価として言えば、「ダメじゃん」としか言えないのである。やっぱりさあ、あまりに「アレ」からのパクリが多すぎるよ。
 「初代ゴジラ」の骨から生体ロボットを作る、という発想から、「あれ……?」と思い始めたけれど、メカゴジラ=機龍を「吊って」運んでいく描写、ゴジラに共鳴しての突然の暴走、機能停止と来て、動かない機龍を懸命に動かそうとレバーを何度も引く茜、「私は要らない人間」発言と来て、ついには「ヤシマ作戦」だもんなあ(元気玉だと思った人もいるようだけど、それは『ガメラ2』)(^_^;)。ラストバトルも見たような構図や動きがどんどこ出てくる。
 これで脚本家や監督が「『エヴァ』? 見たことありましぇーん」とか、ディズニーみたいなこと言ったら、怒る人が出てくるんじゃないか。
 で、これまた肝心の特撮がもう、情けない出来だからさあ。
 ミニチュアもしょぼかったしメーサー砲の描写もシーンが少なかったし、それから、ガチンコするしか能のない怪獣どうしの争いならともかく、片方メカなのに怪獣プロレスをのっけからやるなよ。
 アブソリュートゼロを発射するためには接近戦を避けなきゃなんないんじゃないの? 市街地での戦闘を避けるために接近してゴジラを捕まえて移動しなきゃなきゃならないとか言うんだったらわかるんだけどさ。
 で、どうしてゴジラがやられないわけ? あれでゴジラがやられなきゃ、映画としての整合性自体が崩れちゃうじゃん。エンディングで茜が「あれは引き分け」って言ってるけど、殺せない限りは負けでしょう。永遠に引き分けさせるつもりかもしれんがな、東宝は。
 ゴジラファンを標榜しておきながら、そんなに貶してどうする、とは毎年言われてることなんだが、アナタ、ゴジラファンが不毛の時代を何十年耐え続けてると思ってるのよ。例えば「凶悪連続殺人鬼」が「ゴメン」と一言謝ったからって、それだけで赦しちゃうかい? モンティ・パイソンのギャグじゃあるまいしよ。ちょっとやそっとの出来のよさじゃ、これまでの汚名は決して返上できるものではないのである。
 ともかく、ヘタな人間ドラマとか、SFとしてのコリクツなんかどうでもいいから、「映画」として見られるものを作ってほしいんである。そこまで譲歩してオレはゴジラ映画見てるんだよ。これでも「誉めてる」方だ。別に『キネ旬』とかに認められる必要はないんだからさ、映画作ってよ、いい加減でさ。


 規定枚数を越えたので、続きは次回の講釈にて。

12月14日(土)
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