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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■福岡デパート事情/映画『吸血鬼ハンターD』(1985)/『20世紀少年』8巻(浦沢直樹)ほか
 それなら、「アニサキス」の正体もいつかわかるだろうよ。百年先かもしれんけど。

 「そう言えば、アンタ優しくなったね?」
 「またいきなリなんなんだよ、もう(ーー;)」
 「ガメラの人形、どこかにやったやろ? 俺が怖がるから隠してくれたんやないんね」
 「別に隠してないよ」
 「じゃあ、どこにやったん?」
 「寝室の棚の上。ちょうどおまえの頭の上かなあ。死角になってたから気づかなかったんだろ」
 「……いやん!」
 ガメラのどこが怖いと言うのだ。ガメラは子供の味方だぞ。

 
 マンガ、浦沢直樹『20世紀少年』8巻(小学館・525円)。
 う〜、第2部になって、すごく好きな展開になってきたなあ。
 人によっては好き嫌いが分かれると思うけど、私はプッシュするぞ、小泉響子(^o^)。
 第1部でとことん真剣になっちゃったケンヂたちをやや影に引かせたのは展開が重くなるのを恐れたせいだろう。悲劇であってもコメディリリーフは必要なんである。
 いかにもなコギャルのコイズミだけれど、名前とは違って、これ、モデルはフカキョンじゃないかな。63ページの絵を見るとそう見えるぞ。
 で、この全くのパンピーである彼女が、「ともだち」の内部に潜入、その実態を探索する羽目になっちゃうわけだけど、これがモロにヒッチコックばりの「まきこまれ型サスペンス」で楽しいのよ。
 なにか危機に陥るたびにこのコイズミ、ショックを受けて「楳図かずお顔」になる。このギャグを使うマンガ家さんって腐るほどいるけど、まさか浦沢直樹さんまでやるとはねえ(^^)。いやあ、意表ついてるよ。『モンスター』読んだ人がこっちに来ると、ちょっと唖然としちゃうんじゃないか。おもしろい。
 「春 波夫」のギャグなんか、明らかにいしかわじゅんの『約束の地』を借りてきてるものなあ。はっきり過去の「ギャグマンガ」を意識しながら浦沢さんはこの作品を描いているのだ。
 こういう楽しい展開が作れるなら、できることならあまり人は殺さないでほしいなあ。特にコイズミ。実はケンヂは死んでてみんなはその遺志を継いでレジスタンスしてるって展開もありえるけど、そんなことにしてほしくはないのだ。
 もしかしたらこのマンガ、マンガ界での『オトナ帝国』になるかもしれないのだから。

03月01日(金)
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