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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■どうしてくれよう。/『マジンガーバイブル 魔神全書』(永井豪とダイナミックプロ)ほか
 そんなことを、糞をしながら考えていたわけだが、それでもどうもハッキリしないところをみると(昔はもっとハッキリしていた)、やはりボケたせいだろうか、なんとなく一日が、ゆかいになってきたのだ。というのは、〆切とか仕事の事が、どういうわけか、脳みそにしみこまないわけです。
 (中略)
 ボケを利用して生きるというわけではないが、神様がそうするのだろう。〆切でもなんでも平気だ。即ち、仕事をやろうとしないわけだ。
 ボケというものは、結局人を長生きに導き、幸福にするものだと私は思う(ボケこそ老人の救いである)。
 つい話がボケになってしまったが、“怪”はボケどころかますますハッキリしてきている。
 なにがハッキリしたのか分らないが、とにかく“面白い”方向にむかっているというわけだ。
 めでたし めでたし」

 ああ、こういう老人になれるんなら、人生、生きる甲斐もあろうってもんだ。世の中でボケを怖がる人は、知に生きているつもりで実は知の奴隷になっている人であろう。アタマのいいやつほどバカってのはやっぱり真理なんだよなあ。
 手塚治虫があれだけの作品を残しながら画竜点睛を欠いたのはボケを経験しなかったことにある。人間やっぱり長生きしなきゃね。
  

 原著作・永井豪、ダイナミックプロダクション・プロデュース『マジンガーバイブル 魔神全書』(双葉社・3675円)。
 なんか似たような企画本、前にも出てたような気がするが、それでも買っちゃうのは永井豪ファンの性(さが)か。
 資料は充実してるなんてレベルの話じゃない、ホントに「網羅」に近い、これ以上は望めまいくらいの完璧ぶり。初期企画資料から各作品、原作、テレビアニメ、劇場版の紹介や設定資料、ある限り出して来たって感じだ。
 アニメはキャラの絵柄がコロコロ変わって、あまりに劇画チックで好きになれない話もあったんだけど、私が好きだった回は、原作に絵柄が近くてさやかがひたすらかわいい白土武が作画監督だったものだったと判明。羽根章悦さんや奥山玲子さんもいいけど。
 『バイオレンスジャック』の『鉄の城』編や、『思いでのK君』にまで触れてるのはご愛嬌か。ともかく、豪ちゃんファンなら書棚の一番目立つところにドンと置いておきたくなる一冊である。

01月30日(水)
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