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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■インモラルの剥奪/映画『劇場版 BLEACH MEMORIES OF NOBODY』/ドラマ『佐賀のがばいばあちゃん』
 一護の茜雫への思い入れがどうしてああまで高まるのか、その描写も不十分なので、観客は完全に物語の展開に置いてけぼりになる。作画は頑張っているが、一度、置いていかれて白けてしまった心を高揚させるにまでは至らない。

 ともかく、登場人物が多すぎるのだ。劇場版ということでオールスターキャストを揃えなければならなかったのだろうが、無駄な描写を増やすばかりである。
 所詮はジャンプファンのイベント映画に過ぎない。まともなドラマとしての評価は下しようがないのである。

 それにしてもタイトルが既にネタバレになってるってのはどういうことかね。
 茜雫が登場したら、すぐに正体分かっちゃうじゃん……と思っていたけれど、ネットで調べてみたら、「サブタイトルの意味は最後に分かります」とか書いてる人、結構いるんでやんの。
 ……もうちょっと読解力持てよなー(苦笑)。


 帰宅して、ドラマ『佐賀のがばいばあちゃん』。

 泉ピン子のばあちゃんは、当然のことながら映画版の吉行和子よりも島田洋七のおばあちゃんに似ている。と言うか、吉行和子は演技がまずいわけじゃないんだけれども、ばあちゃんにしてはきれい過ぎるのだね。
 「泉ピン子もばあちゃんやるようになったんやね」としげ。が感嘆していたが、相応な年齢だろう。佐賀弁もそう不自然ではなかったし、映画よりもこちらの方が決定版、ということになるのではなかろうか。
 ラストで主人公の駆け落ち編的なエピソードが挿入されたので、続編も作られそうな気配である。

 それにしても原作が同じとは言え、映画とテレビドラマと、内容が殆ど同じであったのには驚いた。
 いや、セリフや演出、場合によっては画面の構図まで似通っているシーンがやたらあったのだ。リメイクというよりは、殆ど「キャストを変えた撮り直し」といった印象で、『犬神家の一族』を彷彿とさせたが、一応、実話なんだから、へたに変えようがなかった、ということもあるのだろう。

 けれど、英語について「私は日本人だから外国のことは知りません」、歴史について「過去のことには拘りません」という言い訳、いつの時代からあるんだろうね。この伝統だけは成績の悪い生徒の先輩後輩間で、脈々と受け継がれているような気がする。

01月04日(木)
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