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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■動機は藪の中に/映画『リトル・ミス・サンシャイン』/映画『こまねこ』/ドラマ『悪魔が来りて笛を吹く』
> 不仲の兄・妹、家でも無言のにらみ合い…短大生殺害
> http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070106ic01.htm

> 妹になじられた後…自室で木刀とひも準備、冷静な犯行
> http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070106i101.htm

 東京都渋谷区の歯科医師長女短大生バラバラ殺人事件の続報である(まだどんな名称になるか分からないので、適当な呼び方をしているが、諒とせられたい)。

 昨日の日記ではこの兄妹の間柄にかなり淫靡な関係もあったのではないかと想像していたが、その可能性は薄れたようだ。妹はかなり兄を嫌っていたように思える。
 となればこの事件は、逆に兄の妹に対する満たされぬ欲情の爆発、という可能性の方が高くなってしまったわけで、身もフタもない言い方をしてしまえば、これはもう、童貞君の、しかも精神的に去勢されているがゆえの、身近な異性に対する「性的暴発」以外の何物でもない。
 妹がアイドル志望でブログまで持っていたというのならなおさらだ。妹と没交渉であったことが、かえって妹への幻想を培ってしまったのだと言える。もしかしたらこの兄、妹の一部を文字通り食ってたりしてないか。

 生物学的な本能として判断するなら、近親婚は決して異常なことでも何でもない。最も身近な異性に対して性的関心を抱くことは、ごく自然なことだからである。人間社会においてそれが回避されているのは、優生学的な問題(科学的には全く根拠のないことなのだが、なぜか未だに近親婚は奇形が生まれると盲信している人間が多数いる)や宗教的タブーがあるからというよりも、裏も表も知っている身内に対して、幻想を抱きようもないという「文化習慣的な要因」の方が大きいように思う。
 世の中に「お兄ちゃん……」とモジモジしながら甘えてくるような萌え要素満載の妹なんて実在しないのだ。

 しかしニュースはあくまでこの事件から情痴的要素を排除して報道しようと努めている。その結果、逆に矛盾だらけの表現が目立つことになる。「頭にきてやってしまった」犯行について「冷静な犯行」と強調しようとするあたりなどがそうだが、性的犯行は得てして冷静な行動となって現れるものだ。
 送検中の兄の顔がようやくテレビで流れるようになったが、あの「イッちゃってる目」を見れば、事件の本質は誰の目にも瞭然であろう。マスコミだけがなぜかオタオタしているのである。

 しかし、ネットでは「兄をバカにする妹は殺されて当然だ」みたいな発言も見受けられるようで、これには笑ってしまった。妹に幻想を持っている御仁は、結構身近におられるようなのである。


 シネリーブル博多駅で、映画『リトル・ミス・サンシャイン』。

 監督 ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス/プロデューサー デイヴィッド・T・フレンドリー、マーク・タートルトーブ、ピーター・サラフ/脚本 マイケル・アーント/音楽 マイケル・ダナ/撮影 ティム・サーステッド/美術 カリーナ・イワノフ/編集 パメラ・マーティン

 出演 グレッグ・キニア/トニ・コレット/スティーヴ・カレル/ポール・ダノ/アビゲイル・ブレスリン/アラン・アーキン


 アリゾナ州に住むフーヴァー一家は、家族それぞれに問題を抱え崩壊寸前。
父親のリチャード(グレッグ・キニア)は独自の「9段階成功法」を振りかざして、“負け組”を否定している。そんな父親に反抗する長男ドウェーン(ポール・ダノ)はニーチェの超人思想に被れて沈黙を続けている。9歳の妹オリーヴ(アビゲイル・ブレスリン)は、自分の体型では入賞はとうてい無理なミスコン優勝を夢見ている。ヘロイン常習者の祖父(アラン・アーキン)は勝手に言いたい放題。さらにはそこへゲイで彼氏に振られて自殺未遂を起こした伯父フランク(スティーヴ・カレル)まで加わる始末。ママのシェリル(トニ・コレット)の孤軍奮闘も虚しく家族はバラバラ状態だ。
 そんな時、オリーヴに念願の美少女コンテスト出場のチャンスが訪れる。そこで一家は旅費節約のため、オンボロ・ミニバスに家族全員で乗り込み、はるばる開催地のカリフォルニア目指して出発するのだが……。

 製作費はたった800万ドルのインディペンデント映画。

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01月05日(金)
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