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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■いじめを楽しむ人々/映画『アジアンタムブルー』
 それは「人を傷つけてはならない」と考えている「優しい人々」全てであるという、逆説的な真実なのである。
 もちろん、私も日常生活の中では、その一人だ。だって、普段からこんな「無責任賛歌」みたいなことを口にしてたら、「いじめられる側」に回されちゃうじゃないですか(笑)。

 私はこの日記のほかにもいくつかのSNSに入っているが、そこではかなり気をつけて言葉を選んでいる。リアルで会う人も多いから。
 でも油断はできない。先日、「それはあなたの被害妄想だ」と書いたら、「そんなひどいことを言うなんて!」と、そこに集ってた人みんなから総スカンを食らってしまった。

 わあ、「被害妄想」なんて日常語ももうダメか。
 で、次は「思い込み」と言い変えたら、やっぱり逆ギレされた。
 言葉はもう、今はこれくらい先鋭化されてしまっているし、人間はここまで脆弱になってしまっているのである。
 その脆弱さを逆に武器にして「弱い者いじめをするな」と徒党を組んで主張するのは、本来は異常なの事態なのではないか。
 いじめに負けない強い心を持つ方が先決であると思わないのだろうか?

 もう、「傷つくやつぁ、勝手に傷つけ」としか言いようがない。

 罵詈雑言を屈託なく言い合える間柄の方が、本当は言葉で傷つけられることもなく、幸せなのだが、そんな人間関係を、「優しい人々」はみんなでよってたかって崩壊させてしまったのである。
 ここまで全国規模で、「悪口文化」が破壊されてしまったあとでは、これを元に戻すことはもう不可能だろう。

 だからいじめはもうなくならない。

 まだ放置しておいた方が、いじめる方もそのうち飽きるかもしれないし、卒業するまでのガマンだから諦める、という状況にまで悪化してしまっている。
 ヤクザに絡まれても誰も助けてくれないことを、覚悟しておくしかないのである。
 



 昼から、阿部寛の舞台挨拶があると言うので、キャナルシティまで映画『アジアンタムブルーを見に行く。

 『アジアンタムブルー』  
 > (2006角川ヘラルド映画)110分
 > 監督 藤田明二/脚本 神山由美子/原作 大崎善生
 > 出演 阿部寛 松下奈緒 小島聖 佐々木蔵之介 村田雄浩 小日向文世 高島礼子

 > 成人男性向け雑誌の編集者・山崎隆二は、水たまりばかり撮影しているカメラマン志望の葉子と出会う。
 > 風俗の世界に身を置き、友人の妻と浮気を繰り返す自分に絶望しきっていた隆二は、不遇にあっても汚れを知らない葉子に惹かれていく。
 > 間もなく2人は同棲を始めるが、幸せな日々は長く続かなかった。
 > 葉子の身体を、病魔が蝕んでいた。
 > 余命1ヶ月…。
 > 隆二はすべてを捨て、葉子が憧れる地、仏・ニースへと2人で旅立つ決意をする。

 > 大崎善生の同名小説を映画化。“アジアンタム”とは、シダ科の観葉植物。
 > ハート型の葉が特徴。一度その葉が茶色くなり始めると手の施しようがなく、ただ枯れていくのを見守るしかない。
 > その心境を“アジアンタムブルー”と言い、ごくまれに再び青い葉を茂らせることがあるという。
 > 自分が汚れた人間だと悟っている主人公、薄幸な人生を送ってきたため満ち足りることを知っているヒロイン、美しいニースの海と街並みの静謐と、すべてがオトナ向けの味付け。
 > 乾いた土が水を吸い込むように、透明だけど耽美なだけじゃない、ビターな世界観が心にしみわたる。
 > 昨今ブームの甘口な“純愛難病モノ”とは一線を画す作品である。

 別にたいして一線は画してないと思うが。
 甘口じゃないってことは辛口ドラマだとでも言いたいのだろうか。どのへんが辛口?
 主人公の隆二(阿部寛)がSMエロ雑誌の編集者だってこと? 親友の奥さんと不倫してるから?
 でも、それは全てヒロイン葉子(松下奈緒)の純情さ、無垢さを反作用的に強調する装置として働いているから、結果的に隆二は傷ついた心を葉子に癒されることになる(ぷぷぷ)という甘ったるい展開になっちゅうんだよねー。


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11月25日(土)
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