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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■続ける理由/ドラマ『西遊記』第一回/『名探偵ポワロ ナイルに死す』
もっとも、1978年のジョン・ギラーミン監督の映画版『ナイル殺人事件』でも、そこのところは失敗していて、豪華キャストを集めているわりには殆どのキャラクターが点景でしかなく、前作『オリエント急行殺人事件』のシドニー・ルメット監督と比較して、その演出力のあまりの落差に落胆したことを覚えている。
今回のテレビ版、サロメ・オッタボーン夫人を演じたフランセス・デ・ラ・チュアの怪演はなかなかの見物だったが、ヘイスティングスに代わってポワロの相方を務めるレイス大佐(ジェームズ・フォックス)の影が薄かったのも残念である。『茶色の服の男』にも登場する準レギュラーキャラなのに。
レギュラーと言えば、『ナイル』も含めた今回のシリーズには、これまでのレギュラーだったヘイスティングス、ミス・レモン、ジャップ警部は全く登場しない。彼らが登場する原作はほぼ使いきってしまっているし、尺の関係もあるから、もうお呼びもかからないということなのだろう。昨年制作された新作4本でも未登場のようであるが、彼らもまた絶妙なキャストだっただけに、もう再登場がかなわないとなればシリーズの魅力が低下してしまうことは否めない。原作を全て映像化するにはあと二、三シリーズは必要になるのだが、最終作『カーテン』までが映像化されるかどうかは微妙な気がする。……あと続いて三年なんだから、もうちょっと頑張ってほしいんだけどね。
ついでながら、これまでなぜかDVD化がなされなかった先述の『オリエント急行殺人事件(1974版)』もようやく二月に発売が決まった。更にはアルフレッド・モリーナがポワロを演じる新作『オリエント急行殺人事件(2001版)』も今月DVD化である。巷では最近、やたらクリスティーが目立って来ているが、なんとなくマスコミ先導って感じが強くて、本当に読まれているのかどうか、疑問なのである。
01月09日(月)
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