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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■温泉だ♪温泉だ♪/『ウルトラマンマックス』第16話/『野ブタ。をプロデュース』produce1
八寸 青唐ちりめん山椒和え・尾倉紅葉和え・鮭生寿司・酒盗玉子・銀杏松葉刺し・公孫樹丸十
煮物 紅葉鯛吉野煮・大根・人参・キャベツ・煮豆
蒸し物 栗蒸しおこわ・しめじ・紅葉麩・三つ葉・銀餡
洋皿 牛モモの蒸し焼・山芋・秋豆・人参・くるみ・大根卸しのソース
揚げ物 帆立と舞茸俵揚げ・稲穂・アスパラ・味噌だれ
酢の物 蟹・穴子金紙巻・蕪あちゃら漬・黄味噌
お食事 白御飯・香の物
デザート フルーツとケーキ盛り合わせ
「八寸」というのが何だかよく分からなかったのだが、「本来は容器の名で、八寸(約24cm)四方の器のことで、懐石料理で2〜3品の料理を盛った酒の肴を指す」だそうである。
料理に舌鼓を打ったあと展望風呂へ。と言っても外が見えるわけではなくて、風呂の窓の向こうに山水が設えてあるのである。何と私以外にはお客さんが誰もいない。もう8時を過ぎていて時間が遅かったせいがあるのかもしれないが、温泉宿に客がいないというのはちょっと信じられない風景である。ゆったりできたのはいいのだが、お湯がいくら出しても出てこない。体を洗うのはあきらめて浸かるだけにする。
部屋に戻ると寝床が敷かれていて、父はもう高いびきだった。
テレビで『野ブタ。をプロデュース』produce1を見る。
白岩玄原作の文藝賞受賞作の連続ドラマ化ということだけれど、小説の方は未読。作者がかなり若いこともあって、あまり誉められてはいないようだが、タイトルの付け方はなかなかのもんじゃなかろうか。
ストーリーは、クラスの苛められっ子の転校生を見かねた男子二人が、何とか彼女を「プロデュース」することで勇気を持たせようってお話。と言っても、原作ではプロデュース対象の「野ブタ」の性別が男の子で、渾名どおりデブなのを、ドラマでは女の子に変更している。
原作を読んでないのに言い切っちゃうのも何なんだが、この変更はドラマとしては正解ではないだろうか。ミもフタもない言い方であるが、ビジュアルとしてデブな男の子より、ちょっと暗めだけれども実は美少女をプロデュースする方が、視聴者も一緒になって応援のしがいがあるってものである。
でも、正直、そんなに期待してなかった、というよりはアイドルを表に立てただけのキレイゴトなお話ではないかと思ってたんだが、必ずしもそう断定もできない雰囲気である。ギャグとシリアスのバランスがよくって、かなり「手応え」がいいのだ。ジェイコブズの「猿の手」(もちろん本物ではない)をモチーフに使っているアイデアも悪くない。
主役の亀梨和也くんと山下智久くんはとりあえずソツなくやってる感じだけれども、意外にもすごくよかったのが信太ならぬ信子を演じた堀北真希ちゃんだった。
『銭形舞』や『逆境ナイン』を見ていた時には、ちょっとこの子はアイドルとしても役者としても伸びていくのは苦しいかなと感じていたのだけれども、いじめられっ子たちに追いかけられ、追いつめられ、水をかけられ、突き飛ばされ、それでも助けも求められず、反抗もできず、ひたすら暗く、落ち込み、自虐の言葉を吐き続ける。
しかし、その心が安穏なはずもなく、「猿の手」を手に入れれば、呪いの言葉を唱えることになる。いじめっ子の首謀格の女の子の死を願うのだ。彼女の目はいつも垂らした前髪に見え隠れしていて表情がよく分からない。その「暗さ」が苛められの原因にもなっている。しかしその陰の向こうの目は、恐らく、憎しみの光で妖しく輝いているのだろう。そううかがわせるほどに、彼女の呪いの声は恐ろしいのだ。
しかし、彼女を支えようとする男の子二人の励ましに、やがて彼女は呪いを取り消してくれと「猿の手」に願うことになる。その時のうって変わった穏やかで優しい、慈愛の声。ああ、こんな振幅の激しい演技のできる子だったんだなあ、と思わず彼女に見入ってしまった。
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10月15日(土)
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