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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■人はいかにして欺かれるか/ドラマ『相棒』〜シーズンW〜スタートスペシャル「閣下の城」
元外務省事務次官で「閣下」と呼ばれる傲慢かつ狡猾な男、北条晴臣(長門裕之)。2年前、杉下右京(水谷豊)たちに殺人容疑で逮捕されながら、超法規的取引で保釈され、現在はイギリスから移築したアイアンハート城で悠々自適の生活を送っている。
その閣下から、右京と相棒の亀山薫(寺脇康文)にパーティーの招待状が届いた。閣下の目的は何か? パーティーには北条の保釈取引に関わった、小野田公顕・警察庁官房長(岸部一徳)と瀬戸内米蔵・元法務大臣(津川雅彦)も招かれていた。誰も閣下の真意が測れない中で、閣下は悪戯っ子のようにはしゃぎながら、突然、若い女性秘書・郷内繭子(高橋かおり)との結婚を発表する。その発表に驚愕したのは、繭子の従妹で城の執事の嵩人(高杉瑞穂)だった。そして翌日、嵩人が殺される。閣下のコレクションの剣で胸を一突きされて……。
トリックは単純なのだが、ともかく「閣下」長門裕之の怪演が光る。津川雅彦との兄弟共演も、ストレートに突っ込む弟に対して、兄が泣いたり笑ったり、感情表現豊かにすっとぼける様がいかにも楽しそうだ。
正直、役者としての艶に欠ける人だよなあと思っていたのだが、こんな愛嬌のある糞爺を演じさせて、こんなに映えるとは思っていなかったのである。こんな大ベテランに対抗しようというのは至難の業だが、ゲストの高橋かおり、清楚な美人秘書として登場したかと思ったら、閣下にまんまとハメられたと気づいた途端に「このばかたれ!」とちょっとケンのある顔を歪めての大暴言、まったく大熱演である。
さて、最後に笑ったのは誰なのか、このままならなんだか「閣下」シリーズもいずれ第三弾がありそうで、楽しみなことである。
10月12日(水)
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