ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491661hit]
■杉浦日向子さん死去/『ラインの虜囚』(田中芳樹)
これまでにも2チャンネルとかにリンク張られたりして、アクセスが一時的に増えたことはあるけれども、ここまでのことはない。佐世保の小学六年女児殺人事件のときにも何を勘違いしたのかアクセスが増えたことはあったけれども、最近はあまり事件関係とか政治関係の話題について書いた覚えがないので、何に引っかかってお客さんが増えたのか、思い当たることがない。ともかくアクセス解析を調べてみたところ、「電脳遊星D」さんのサイトで、5月28日の日記の『機動戦士Zガンダム A New Translation 星を継ぐ者』の紹介がされていたのだった。一日に軽く20000ヒットを数えるサイトさんなので、そりゃ四千や五千のアクセスがあるのも当然と言えば当然か。
そこから更に枝葉分かれをして、あちらのサイト、こちらのサイトでも私の文章が引用されたりリンクされたりしていたので、こういう事態になっていたのだった。しかも、どのサイトも好意的に読んでくださっていて、かなり適当に文章を書き殴った身としては、赤面ものである。
自分で書いといて弁解するのも何なのだが、映画を一回見ただけで書き殴った文章なので、論旨はかなり乱雑である。「動線」のことについて偉そうに述べてはいるが、実際、これを具体的にきちんと説明しようと思ったら、文章では不可能で、絵に書いて示すしかないのだ。毎日更新しなきゃなんない(してないけど)日記でそこまではできません(泣)。なのに、「わが意を得たり」とか「お勧めです」とか書かれたりすると、なんかもー、どこかへ逃げ出したくなります。
一応、「批評の基本」くらいのことは知ってるつもりでいるので、ただ単に「好き嫌い」「いい悪い」だけを書いて根拠を示さないようないい加減なマネはしたくないと思ってるんだけど、それも適当になってることも多いかも。だって、書く端から忘れてるしねえ。まあ、二、三日すればアクセス量もまた元通り落ち着くと思うけれども、今回初めてお越し頂いた方が、ヘタにほかのページとか覗かれて、気分悪くするような文章に出会わないかどうか、それが一番心配と言えば心配(汗)。
田中芳樹『ラインの虜囚』(講談社)。
「ミステリーランド」シリーズの第七回配本。田中芳樹の「ミステリー」というのがちょっと気にかかったのだが(薬師寺涼子シリーズは狭義のミステリーには当てはまらないし)、少年向けとは言え、堂々たる歴史ミステリーに仕上がっている。
1830年、フランス。父と死別し、はるばるカナダから祖父を訪ねてパリにやってきた少女・コリンヌ。しかし祖父のブリクール伯爵はコリンヌを孫とは認めないばかりか、ライン河の東岸ある「双角獣(ツヴァイホルン)の塔」に幽閉されている人物の正体を探って来いと命令する。父の名誉のために旅立つコリンヌ。そしてひょんなことから彼女をサポートすることになる男たち。
女たらしでお調子者の若き人気劇作家・自称天才のアレクサンドル・デュマ。弱きを助け強気をくじく悪党の美学を貫くカリブ海の海賊紳士・ジョン・ラフィット。そして豪腕巨漢のよいどれ剣士“モントラシェ”。右耳の半分欠けた彼の正体は、物語の後半で明かされるが、ちょっと歴史に詳しい人ならば「ああ、あの!」と頷く有名人物である。
しかしコリンヌの旅を快く思わない何者かが、殺し屋集団「暁の四人組(パトロン・ミネット)」を雇ってその行く手を妨害しようとする。果たしてコリンヌたちは無事目的地に辿り着くことができるのか。そしてラインの虜囚・仮面の男“ナポレオン・ボナパルト”の正体は……?
少年向けというワクに捉われずに良質なミステリーを提供することを目的としてきたこのシリーズだから、田中芳樹もそれに倣ったのだろう、決しておざなりな謎解きに終わっていない点は評価できると思う。もちろん、コアなミステリファンならば、「要するにこれはあの○○○○○と同じ話だよね」と似たような先行作を挙げることができるだろう。物足りないと言われればその通りかもしれないが、そもそもこの物語は冒険小説としての要素の方が高いのである。謎解きの部分はこの程度で押さえておくのがバランスとしてはよいと思う。
[5]続きを読む
07月25日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る