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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■人を呪っても穴がない/『D.Gray-man(ディー・グレイマン)』4巻(星野桂)
 こういう描写がジャンプ誌上で許されるようになったのは、やはり『幽遊白書』あたりからの冨樫義博の「暴走」がかなり寄与していると思う。冨樫さんは「自分があるエポックを作り出してしまったこと」について、どの程度自覚しているのか分からないが、ごく自然に異能力者が“いびつな姿”で存在している世界を描くことは、フリークスが当たり前に存在するのが自然な世界である、と主張しているのと同じなのである。こういうマンガには、その絵柄のグロテスクさとは相反して、世界設定の根底に差別とか平等とかいった概念についての深い思索が巡らされているので、読んでいて気持ちがよいのである。
 今巻初登場のアレイスター・クロウリー男爵も、一応「吸血鬼」らしいのだが、前巻のミランダさん同様、やがてはエクソシストの一員として活躍していきそうで、しばらくはこういう「仲間探し」という形での展開が続きそうな感じである。
 ということはエクソシストたちと、千年伯爵&ノアの一族との戦いが、一時、ワキに追いやられてしまうわけで、てっきり今回も新しいノアの一族が登場すると思っていたのに、ちょっと肩透かしを食らった感じである。
 でも、ということはこの作品、かなり受けているということで、5巻以上は確実に続くだろうと思われる。となると、あまり大風呂敷を広げすぎると、そもそも世界観自体、『ドラゴンボール』や『ONE PIECE』よりもずっと大きいので、両作以上に収拾がつかなくなる心配もある。アクマはあくまでアクマであって悪魔ではないのだから、今後は神だの仏だの、ハルマゲドンだの出してこないことを祈るばかりだ。

05月05日(木)
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