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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■残務整理の日々/『チキンパーティー』2巻(金田一蓮十郎)
 加藤君、スケジュールのきつい其ノ他君やらぶきっつあんに日にちを提案してもらったら、なんてことを書いてるものだから、そりゃ無理だろう、という内容の返事を送る。スケジュールがきついということは、全然、体が開かない場合もあるということにも繋がるわけで、下手をすればいつまで経っても会合が開けないということにもなりかねない。「自分の体が空かないせいで話が進まない」なんて事態になったとしたら、二人に責任やらプレッシャーやらを押し付けちゃうことになる。だから加藤君には「候補日を複数立てて、その中で一番人が集まれる日を選んだら?」と提案したのだが、すぐに返ってきた返事が、「それだと候補日も全部体を空けてなきゃならないから、かえってきつくないですか?」というものだった。
 いやはや、前々から加藤君は「いい人」だなあ、とは思っていたが、これには全く驚いた。会社の忘年会や大学のサークルの新歓コンパで、「いつがいい?」と希望日を募ることはよくあることだが、自分の希望日以外の日に決まって参加できなくなったからといって、いちいち恨みに思ってなどいられない。出られりゃよかった、出られなかったら申し訳ないで終わりである。それを、みんなのために決定日以外の日も体を空けておこう、なんて考えの持ち主に会ったのは初めてだ。いくら「いい人」と言っても、そりゃいくらなんでも気の使いすぎというものではなかろうか。例えば、彼女から「この日は都合が悪いから、別のこの日に会おうね」と言われて、「うん。でも念のため、君の都合の悪い日も体を空けとくよ」なんて答えるようなものである。気持ちは分からんでもないが、過ぎたるは及ばざるが如しである。こういうのって、逆に「何でそこまでするの?」と彼女にプレッシャーを与えていることにならんか。まあ、よっぽど心の広い女の子でない限り、たいていは引いちゃうと思う。
 あんまり悩むなと返事を送ったけれど、C−1君といい、加藤君といい、うちの劇団に集まる男どもって、なんでこう一歩余計なとこまで踏み出すかね。

03月24日(木)
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