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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■福岡・佐賀地震続報。泣いてたまるか(ToT)/ドラマ『青春の門 筑豊篇第一夜』
今日は国際会議場で阿佐ヶ谷スパイダースの舞台『悪魔の唄』の公演が行われる予定で、運良く前から二番目の席が取れていて楽しみにしていた。
しげは昨日の今日なので、公演が無事行われるかどうか心配していたのだが、これは実際に出かけて見なければ状況がわかるものではない。気になるのは、会場が博多埠頭の近くで、地震、津波の影響を受けやすい場所であることだ。祈るような気持ちで会場に行ってみたのだが、会場の前で係員の方がメガホンを持って「公演は中止です」と怒鳴っていたので、ああ、と天を仰いだ。
「会場が使用できない状態になった」という説明だが、具体的なことは分からない。会場前のアスファルトの道路を見ると、排水溝から溢れたと見られる「潮」の跡が白く乱れて広がっている。報道では「津波は来なかった」とのことであるが、実際にはある程度の波は来たのだろう。配線がイカレたか、天井から照明器具が落ちてきでもしたか。もしそうなら、『オペラ座の怪人』のまんまである。会場の向こうを救急車がぱーぽーぱーぽーと走っていく。まだ「何か」が起こっているのだろうか。
会場の入り口ではチケットの払い戻しの手続きとともに、作・演出の長塚圭史さんほか三名の方が、お詫びを兼ねてであろう、急遽サイン会を開いていた。
長塚さんは、役者としては以前『奇跡の人』であまり印象のない役を演じられていたが、演出家としては『ピローマン』などで素晴らしく濃密かつ緊張感溢れる舞台作りをされている。しかし、考えてみれば長塚さん、まだ20代なのである! 私自身、最近は自分がとみに頑固ジジイ化していると実感しているので、若い人で、しかもこの人は才能があると見込んでしまったというのは自分でも驚いている。
長塚さんは、先日、第55回芸術選奨文部科学大臣新人賞演劇部門を『はたらくおとこ』『ピローマン』で受賞。また、第4回朝日舞台芸術賞でも舞台芸術賞を受賞している。サインを頂きながら、ちょっと緊張してしまったが、「『ピローマン』が素晴らしかったので楽しみにしていたのですが」「受賞おめでとうございます」と声をおかけすると、逆に「残念です」「とんでもないです」と頭を下げられた。頂いたサインを見ると、今しがた仰った「残念です」という言葉がそのまま書かれてある。多分、長塚さんも、何とか公演が出来ないものかと、ギリギリまで粘られたのだろう。しかし、もしも公演中にまた余震が来たらどうするか。お客さんのことを考えれば、中止もいたし方がない。こういう不慮の事故で公演が出来ない心境というのは痛いほどに感じるので、こちらも「残念です」というしかない。
シアターチャンネルでの放送はあるようだが、DVD発売の予定はないとのこと。うち、シアターは入らないんだってば(泣)。
「せっかく出てきたのにい。地震のやつめ」と愚痴りまくるしげを宥めながら、せめて食事でもと「バーミアン」で奮発してコース料理。と言ってもチェーン店のコースだから1500円しかしない(笑)。
やけ食いして帰宅、そのままフテ寝。
小一時間して起き、映画にでも行こうかとしげを誘うが、「いい、もう」と布団をかぶったまま。しげのショックを考えれば、これはもうどうしようもない。ちょうどよしひと嬢が日記に「ROSSO」のライブで博多に来たことが書いてあって、こちらは地震をものともせずに予定通り実行するとのことなので、しげの悔しさは弥増しているのである。
ネットを見ていたら、中田秀夫監督のリメイク版『ザ・リング2』が、20日発表された週末の北米興行成績で、推定3600万ドル(約38億円)の1位に輝いたとのこと。もちろんこれは、昨年10月の清水崇監督の『THE JUON/呪怨』に続く、日本人監督としては史上2度目の快挙である。
クロサワもたけしもゴジラも成し得なかったことを清水・中田の両監督は成し遂げたわけで、これはもっと喜んでいいことだと思うのだが、なんか日本人の反応は今一つ鈍い。
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03月21日(月)
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