ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491675hit]

■『のび太の恐竜2006』(仮題)?!/DVD『ダーク・クリスタル デラックス版』
 もしも藤子・F・不二雄氏が存命であったなら、SFに拘りのある氏のことだから、何らかの形で『のび太の恐竜』をリテイクすることは充分考えられる。数々のマンガで「ネッシー」を実在の存在として描いてきた氏は、それが完全に「捏造」であったと判明した直後、アニメ『モジャ公』では謎の恐竜として「ルケーレ・ムベンベ」を出してきた。恐竜の滅亡説も新説が出るたびに作中に取りこんでいる。その時その時の最先端の科学に目を配り、それを物語に生かそうとする姿勢が藤子氏には常にあった。だとすれば、「『のび太の恐竜』をリメイクするな!」の声は、単に自分の好きな「アニメ」に執着しているだけのもので、藤子氏の「精神」に共感しているファンのものだとはとても言えないのである。
 私は「アニメのファン」ではなく、「藤子・F・不二雄のファン」であるから、声優が変わろうがスタッフが変わろうが、一向に構わない。というよりも、そんなことで怒りの声を上げる浅薄なアニメファンの方にこそ腹が立つ。あなたたたちが愛しているのは「自分の中のイメージ」であって、「作品」ではないではないかと。オタクの「痛さ」ってのはそういうところにあるんだわ。
 現段階では、『のび太の恐竜』がどんな出来のものになるか分からない。この日記でも何度も繰り返しているが、批評の基本は(それが感想文レベルのものであっても)「見てからものを言う」である。私もリメイク版を見てまだティラノサウルスが直立歩行してたら怒るよ。まだ一年以上先のことでヒステリックに騒ぐんじゃなくて、「不安はあるけど期待しよう」くらいの余裕をカマシてほしいもんだけどねえ。


 DVD『ダーク・クリスタル デラックス版』。
 え〜、『もえたん』でも「ファンタジーの傑作」と紹介されている、『ダークリ』。今更紹介するのもなんなのだけれども、「2枚買ったら1枚タダ」ってキャンペーンに応募したらタダで入手できたので、久しぶりに見返してみたら、いやあ、やっぱり面白いんだわ、これ。1983年製作というと、もう20年以上前になるんだなあ。記憶が定かじゃないが、これ多分、大学時代の夏休みだったかに、当時の彼女と一緒に見に行ってる。映画もよかったから、二人の雰囲気もいい感じになったんじゃなかったかな。ゼミの友達もすっごく誉めてたのは覚えてるんだが。むにゃむにゃ。
 現在のように巷にファンタジー映画が溢れかえっている状況と違って、そのころは「ファンタジー」と言えば、あとは『ネバーエンディング・ストーリー』やら『ラビリンス』やらがあるくらいで、ファンタジーファンにとっては「冬の時代」だった。そんな中で『ダークリ』がどれだけオアシスな存在だったか。
 故ジム・ヘンソンとフランク・オズが、『セサミ・ストリート』以上のマペット技術とスーツアクトで構築したファンタジー世界。善のミスティック族と、対立する悪のスケクシス族(劇場公開時の吹替えでは「スケクシー」)。長きに渡る悪の支配を終わらせるために、悪を封印するというダーク・クリスタルを求めて、か弱きゲルフリン族の生き残り・ジェンは旅立つ……。
 ストーリーはかなり『指輪物語』の影響を受けているけれども、何と言っても素晴らしいのは、次から次へと現れるこの世界の住人たちの造形だ。賢人の気高さを湛え、羊と牛を合わせたようなミスティックス。直立する巨大な鴉のごときスケクシス。花沢徳衛そっくりのオーグラ(^o^)。そしまあ、人間以上に人間らしい表情を見せてくれた美しき笑みと魅惑の唇の妖精・キーラ。「萌え」という言葉が当時あったなら、絶対に「キーラ萌え〜!」なオタクどもが食玩フィギュアを買いあさっていたことだろう。そんなんなかったけどよ。
 なんかねえ。こういうの見てると『ハリー・ポッター』シリーズなんかはどうにもファンタジー“モドキ”にしか見えなくて困っちゃうのよ。いやもう、ファンタジーファンを自称するなら。これを見てないというのはモグリってなもんです。マジで。

02月15日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る