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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■アナリストたちの誤算/『毎日かあさん カニ母編』
ファンは一つの作品に飽きるまではあまりヨソの作品にまで真剣に興味を移したりはしないものである。「いいえ、私は複数の作品が好きですよ」と仰る方も、好きな作品は『SEED』と『ハガレン』と『最遊記』とか、やっぱり明らかに「そっち」方面に偏っているので、間違ってもこういう方は『クレヨンしんちゃん』や『あたしんち』のDVDを買ったりはしない。描いてる同人マンガもみんな似たり寄ったりで、誰かしんちゃんとカザマくんのボーイズラブくらい描いてみたらどうだ、と言いたくなる(「もうある」というウワサは聞いたことはあるが「主流」じゃないよな)。
「アニメなら片っ端から見る」なんて昔ながらのファンなんてのは殆ど絶滅しているのだ。興味関心が分散化しているだけではなく、マンガアニメ全般に時間やお金をかける余裕がないのも大きな原因の一つなので、だから「オタク受けを狙おう」と思って、「狙いどころを絞り損なう」と、砂漠に水を注ぐがごとく「誰も買い手がいない」という悲惨な結末を迎えることになる。
40代を過ぎた古株のオタクはいかにもインテリ然とした態度で宮崎駿作品を「あれはオタク心をそそられる作品ではない」とこき下ろす。しかし、毎日毎日『となりのトトロ』を繰り返し見て、部屋中をジブリグッズで埋め尽くすような子供をオタクでないとどうして言えようか(ここでは作品に対する分析批評ができるかどうかという質的な意味での「オタク」を述べているのではないので誤解なきよう)。当然、宮崎作品の収益は、全国津々浦々にまで拡散した「老若男女のオタクたち」によって支えられている。単純に「特定の趣味分野に時間や所得をかける」という特徴を挙げるのなら、既に日本人の殆どは「オタク化」しているのであり、そりゃ何10兆円だろうが市場が存在しているのは当たり前で、そんな分析には何の意味もないのだ。2600億とか数兆とか、こんなとんでもない数字は、それこそ200円のガチャポンを買い集めるガキンチョまで含めた数字だということを考慮に入れないといけない。
だからオタクをあくまで「市場」として考えるのならば、作品の訴求力がどの世代、どの階層、男女のいずれに偏るものなのか、2600億とかそんなユメみたいな数字に惑わされずに分析し、どの程度の資本投資が可能なのか冷静に判断することが必要なのである。それしなきゃ、みんなトワーニの二の舞だ。
……まあ、だからこの手のニュースを見て、「オタクにも日の光が当たってきたんだ!」とか、「ボクももしかしてモテルようになるかも!」とか期待しているそこのキモオタのキミ、それはキミのことではないから勘違いするとかえって傷ついちゃうよ(^o^)。
09月18日(土)
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