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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■同情でもいいから少しはくれ(T∇T)/DVD『山村浩二作品集』/『沈夫人の料理人』1巻(深巳琳子)ほか
 「別に隠しとらんて。治療が一応すんでから言おうと思っとったんよ。治れば別に何ちゃないやん。レーザーで剥離抑えてもらったけん、もう治っとう」
 「ああ、レーザーか、そりゃよかったたい」
 なんだかレーザーが万能であるように父は思っているようである。それで納得してくれるなら、特に問題はない。


 帰宅したしげに、「なんでオヤジに眼のこと話したとや?」と聞いたら、「だって話題がないし」と答えやがった。
 なんかもう言葉もない。
 しげを嫌ってるわけではないから、何か聞かれりゃ答えはするけど、私の方から積極的に会話する気が失せていくのはどうしようもないことである。


 次回の『ゴジラ』のヒロインが吉岡美穂になったとか。
 グラビアで見かける程度で、動いてる彼女は『逮捕しちゃうぞ』くらいしか見てない。だもんでどの程度演技ができる人なのかよくは分らないけど、『ゴジラ』シリーズはもう私の中では「全く期待しないで見にいったら少しは楽しめる」レベルにまで下落はてるから、誰がヒロインやろうとどうでもいいや。


 DVD『山村浩二作品集』。
 予約してたのに、LIMB、取り置きを忘れてやんの。現物が店頭にまだあったからいいけど。これが多いから、だんだん紀伊國屋の方ばかり利用するようになるのだ、しっかりしろよ。
 ようやくアヌシーグランプリの『頭山』(英題はどんなかなあ、と思っていたがまんま「Mt.HEAD」であった)を見ることができたわけだが、「落語の映像化」という点ではこりゃどうかな、という面もないわけではない。
 もともと「映像化できない語り」のナンセンス性にこそあの落語の魅力はあるのである。最初あの落語を聞いた時には私は笑うより先に呆気に取られた。「頭の上の花見」ってどうやって? オチなんて、どんな絵か浮かばねーよ、普通。仮に私が笑ったとしても、それは脳を揺さぶられた結果の狂気的な笑いになっていたことだろう。
 しかも語りは三味線の国本武春。落語の語りとは似て非なるもの。「落語」を期待すれば多分肩透かしを食らう人も出てくるだろう。
 立川談志あたりは「なんだあんなもん」と言うんじゃないかな。『幕末太陽傅』も「落語じゃねえ」と言い切った人だし。そう言えば立川志らくは『キネ旬』で微妙な誉め方してたなあ。「すばらしいけど、ほかにも映像化したい落語はいっぱいある」とかなんとか。
 けれど「アニメーション作品」として見た場合、これはやはり第一級の作品である。花見客がミニサイズになっちゃう絵は原作を知ってると陳腐だが、初めてこの話を見る観客にはそれだけで充分ショッキングだろうし、オチの映像化はまさしく「映画」になっている。ああ、アレを流用したか、と映画ファンならすぐに見当がつくけど、その流用の仕方が卓抜なのである。
 所詮は原作の「解釈」にすぎない、という批判も可能だが、その解釈がまた別の想像力を観客に喚起する効果は確かににあるから、これはこれで成功作と言っていいのではないか。


 DVD『サイボーグ009 第2章 地上より永遠に6』。
 今巻から『地下帝国ヨミ編』。
 封入パンフを見てたら、設定の中に「赤面するバン・ボグート」があったんで笑う。そんなシーン、どこかにあったっけ。そう言えばこないだ『快傑ハリマオ』を読み返してたら、しっかりボグートが出て来てやっぱり悪役を演じていた。まあ全ての石森作品を読んでるわけではないのでなんとも言えないが、少なくともギルモア(ドンゴロスの松)とボグートは少なくとも二度、戦っているわけである。
 本放映時から完成度は高かったので、リテイク部分はあまりなさそうな印象。ああ、このクォリティで全話が制作されてたらなあ……。


 マンガ、深巳琳子『沈夫人の料理人』1巻(小学館/ビッグコミックス・530円)。
 中身についてはオビの惹句をそのまま引用(手抜き)。
 「中華料理の一皿に立ちのぼる妖艶なる主従関係! 美食のエロス! この世の何よりも食べることの好きな奥様・沈夫人と、この家に買われてきた天才料理人・李三。時は明代中国。奥様は退屈していた。『私に何を食べさせてくれるの?』」

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07月05日(土)
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