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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■パニック・イン・トキオまたはJ○A金返せ凸(`0´)凸/舞台『愛とバカユージ』
 開場して、たいていのお客さんがパイプ椅子に座っていく。でもよく見ると前に座布団がたくさん敷かれてあって、桟敷席扱いになっている。だったらそこで見たほうがいい、と最前列に陣取る。舞台を見上げる形にはなるが、多分、中村有志さんも前まで出て来てくれるんじゃないか。
 それにここなら、靴を脱いでも怒られやしないだろう。


 舞台『愛とバカユージ』。
 舞台には幕はない。シティボーイズのみなさん他からの献花が舞台の両端に立てられているが、これがちょうど袖の役割を果たしている。
 舞台の4ヶ所にマネキンが立っていて、中村さんが着るらしい衣装を身にまとっている。一人芝居だから、着替える様子も舞台上で見せてしまおう、という趣向なのだろう。イッセー尾形の舞台もこんな感じだ。考えてみたら、イッセーさんもゆーじさんも福岡出身。福岡出身者は一人芝居のスケッチをしたがる傾向があるのかな。

 舞台が一瞬暗くなり、音楽とともに中村有志さん、いきなり全裸で登場。
 と言っても、腰回りはバスタオルで隠している。そのバスタオルの中央が、急にムクムクと盛り上がってくる。
 マジックの初歩、「ボールのマジック」をもじった、「ポール(^o^)のマジック」というところか。つかみのスケッチとしてはまあまあ。

 続いて、「夫婦一人浴衣漫才」(適当なタイトルつけてるだけで、チラシにこんなことが書いてあるわけではありません。以下も同様)。右手だけを浴衣に通して、それを自分の相方の奥さんに見立てて、一人芝居をするのである。結婚する前の昔の彼女の話なんかをして、つねられたり叩かれたり、○○○○揉まれたりするのだが、こういう単純なギャグは、タイミングが上手くないと白けてしまう。その点、中村さんは安心して見られる。
 どうやら今回の舞台、一貫したストーリーがあるわけではなく、様々なスケッチを手を変え趣向を変えて見せるのが主眼らしい。ちょっと前のシティボーイズと同じような構成だな。

 一人二役による、オー・ヘンリーの『賢者の贈り物』のパロディ。貧乏な夫婦が、お互いに贈り物をしようとする。夫は自分の時計を売って、妻に櫛を買ってあげる。妻は髪をハゲにして、夫の時計のバンドを買ってあげる。賢者じゃなくて、「愚者の贈り物」って感じのオチ。話だけならつまらないので、これが笑えるのはまさしくゆーじさんの演技力によるものだ。
 いや、笑うと言うより、引きつってたかな。なんたって、私ゃ、ゆーじさんが裸エプロンで「ああっ!」て号泣するのを真正面で見せられてんですから(^_^;)。

 「仁義なき三姉妹」とでも題すべき今回最大の爆笑スケッチ。
 三姉妹がマンションで拾ってきた猫を飼うかどうかってのを言い争うのだが、その3人を菅原文太、金子信雄、田中邦衛で演じるのである。名前はそれぞれ、広子、山子、槙子。広子と槙子はともかく、山子はねえだろ(^_^;)。もちろん、『仁義なき戦い』から取ってるわけだからそういう名前にするしかないんだが。
 いやもう、どう面白いかって、こんなの説明のしようがないよ。ともかく「似てる」んだから。
 最後に猫が死んじゃって、山子ねえさんが「わ、わしのせいやないで!」と叫びながら、それを無視するように広子が「何で猫が死んどるんじゃあああ!」と叫ぶあたり、マジで舞台に3人が同時に立っているように錯覚した。
 上手い。

 「呪いのサンダル」を履いたものが、次々と殺戮を繰り返す。
 ホラーとコメディは髪一重ってところをゆーじさん、よくわかってらっしゃるなあ、と感心しちゃう、これも傑作スケッチ。
 「カピターン、カピターン、カピターン、カピターン……」とサンダルの音がするたびに、その人は心の奥底に隠していた自らの邪な心を発露させてしまうのだ。なにより、滑稽と恐怖が見事に融合している擬音がスバラシイ。中村さんの言語感覚って、やっぱ凄いよな。

 ラストは、イブニングドレスのゆーじさんが花びらを散らしながら歌い踊る「ひとり上手 韓国語」(^o^)。いや、韓国語かどうかよくはわからんが、そう聞こえたから。ともかくヘンな言語です。
 で、私も、花を一輪、頂きました(^_^;)。


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03月01日(土)
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