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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■革命児の帰還/『ヒカルの碁』20巻(ほったゆみ・小畑健)/『ななか6/17』9巻(八神健)/『パタリロ西遊記』5巻(魔夜峰央)
 9巻まで来てようやく気がついたんだけど、キャラクターの名前、みんな「気候」の字が使われてたんだね。
 「“霧”里七華」「“凪”原稔二」「“雨”宮ゆり子」「“嵐”山五月」「“霰”玉九里子」「“氷”室那由」「“雪”ノ沢せつな」「“風”祭千恵」。
 こんなところかな。次に出るキャラクターは霞か雲か(^o^)。
 名前に数字が使われてるのも共通しているから、雨宮さんの名前は多分ホントは「百合子」と書くのであろう。……それにしても、気づくの遅すぎだな。

 マンガのほうは今巻より第2部。
 ななかの第3の人格、「ヒロ」が登場してきたことで、俄然面白くはなってきたのだけれど、二重人格どころか多重人格ものにシフトするとは意外であった。つくづく『ビリー・ミリガン』のドラマ・マンガ各方面への影響の強さを思うことよ。『幽遊白書』の「仙水編」でもこのネタを使ってたけど、アレは行き当たりばったりの印象が強く、あまり成功したとは言えなかった。読者の興味を引きはするけど、うまく収めるのが結構難しいんだよな。その点、三谷幸喜の『出口なし!』は、多重人格ネタをミステリー仕立てにして、なかなかいいオチのつけ方をしていた。さて、21世紀ラブコメ中、屈指の傑作になるであろう(マジかよ)『ななか』は果たしていかなるオチをつけてくれるか?
 もっとも、人格が「理想の男」に変わったからって、女の子のななかがいきなり万能になっちゃうって展開、ムチャクチャではあるんだが、まあ、「火事場のバカ力」だと思ってそこは許そう。キン○マンかい(^_^;)。
 しかし八神さん、絵が上手くなったなあ。もともと上手いヒトではあったんだが、「三人」のななかを、同一人物である基本のフォルムをちゃんと残しつつ、ハッキリ違うキャラとして描き分けている。ラブコメだのアニメ絵だのとバカにしたもんじゃないんだよ。


 マンガ、魔夜峰央『パタリロ西遊記』5巻(白泉社/花とゆめコミックス・410円)。
 今回初めて気がついたんだけれど(最近こんなのが多いな)、目次のところに小さく「この物語は『西遊記』をもとにして描かれています」と書いてある。
 ……いや、別にそんなこと説明されなくてもタイトルに『西遊記』ってしっかり入ってるのに。古典だから版権とか関係ないと思うし、なんでこんな但し書きがいるのかなあ。意外と原典に忠実にマンガ化してるから、そこんとこを強調したいのかも。
 いや、忠実っても、パタリロのしょーもないギャグは当然原典にはありませんが(^_^;)。
 冒頭、門づけ(要するに物乞いですな)するパタリロが歌ってるのが、「沖のくらいのに白帆が見える〜♪ あれは紀ノ国ミカンぶね〜♪」ってアレ。孫悟空に日本の俗謡を歌わせてどうするよ(^_^;)。
 でもどうせ、こんな歌も若い人はまるで聞いたことないって言うんだろうな。昔のヒトなら誰でも知ってる紀伊國屋文左衛門のエピソードだって知らないんだよ、参っちゃうね。
 とかなんとか言いながら、私もこのフレーズを含んだ全歌詞は知らない。っつーか調べてみるとこの俗謡、全国各地に広まってて、バージョンが腐るほどあるのである。原典はどのへんだかようわからん。とりあえず、ネットで拾ったいくつかのパターンをご紹介。

「みかん採み唄」(江島節)
 沖を走るは丸屋の船か 丸にやの字の帆が見える
 沖の暗いのに白帆が見える あれは紀の国みかん船

「みかん採み音頭」  
 沖の暗いのに白帆が見える あれは紀の国みかん船
 江島唄うて向かいの山で みかん採るのはわしの殿
 今度いんだら持て来ておくれ みかんは紀州の有田もの
 有田みかんと道楽息子 色ではだかになりまする(後略)

「大町天王唄」
(前略)
 揃ろた揃ろたよ若衆揃ろた 稲の出穂より良く揃ろた
 八雲の社ののぼりを見たか あれは関東一の旗
 沖のかもめに汐時問えば 私ゃ立つ鳥波に聞け
 沖の暗いのに白帆が見える あれは紀の国みかん船(後略)

「馬子節」
(前略)
 沖の暗いのに白帆が見える あれは紀の国みかん船
 今日は目出度い御りょうさんの 年に一度のお祭り日

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01月09日(木)
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