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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ミハル至上主義(笑)/『買ってはいけない2』/『T・Pぼん』5巻(藤子F不二雄)/DVD『クレヨンしんちゃんスペシャル』1・2ほか
 その中で、塩田英二郎の名前だけが私には初耳である。かわいらしい女の子を描く人で、ちばさんの女の子キャラはこの人の影響が大だったらしいが、さて、どんな人だったのだろうか。読売新聞に『ミーコちゃん』というマンガを三千回以上連載したらしいが、いったいいつごろの話なのか。今でも活躍されてるのか。ネットで調べても茫洋として実態が掴めないのである。
 寺山修司主催の「力石の葬式」について「冗談はやめて」「酒の席ででも盛り上がって出て来た企画なんでしょう」と切って捨てているのは小気味よい。あの件を、いかにも「時代のムード」と結び付けて、『あしたのジョー』の社会的影響力を声高に叫ぶ人たちがいるが、それって『ジョー』が伝説化されたあとの刷り込みなんじゃないのかな。私は当時「はあ? マンガのキャラじゃん」としか思わなかったし。実際には当時、大半のファンは失笑してたのではないかなあ。
 でも実際に参列してるファンの真剣な表情を見ていたら、ちばさん、「更に真剣にこっちもやらないといけないな」という気になったそうである。イッてる連中の期待に答えようとすると、トンデモナイことになるような気がするが。もうなっちゃってるかな(^o^)。

 おおすみ正秋のコラム、「若いヤツなんか知ったこっちゃねえ!!」に、あのチャーリー・コーセイの近況が。神戸の酒場に自分の店を持ち、今も客のリクエストに答えて『ルパン三世のテーマ』を歌っているそうである。うおおおお〜! 私も聞きたいぞ〜、生ルパン! けどなんていう店かわからないし、そもそも神戸まで出かける時間も余裕もないのであった。
 大塚康生の「ルパンマンガ」も次号掲載予定。ルパンに関わった二人のコーセイさんがお元気とは喜ばしいことだ。……関係ないが、しげはこの二人が同じ「コーセイ」なので、親戚か何かと思ってたそうである。んなわけあるかい(-_-;)。


 マンガ、藤子・F・不二雄『T・P(タイムパトロール)ぼん』5巻(完結/嶋中書店/Primoアイランド・コミックス・320円)。
 コンビニ売りの雑誌本だけれど、単行本未収録の五編を収録。『コミックトム』に掲載されたまま、藤本さんが続きを描かなかったので、「幻」になっていたものだ。私も『ぼん』は「藤子不二雄ランド版」を持っているが、この五編は未収録。そのことに気付かず、手に取っていなかったのだが、しげが見つけて買ってくれた。しげに感謝である。

 「平家の落人」
 これは既読のもの。平家の落人・加茂丸を助けるために、ユミ子が身代わりになるのだが、ぼんが助けに来るのが遅れて、ユミ子はホントに首を切られる。ぼんは時間を巻戻してユミ子を助けるが、こういう道具に頼りすぎる結末のつけ方は安易。藤本さんの作品の中では低調なほうである。

 「トロイが滅びた日」
 実を言うとシュリーマンの名声は偶然の産物だったんじゃないかと私は疑ってるんだが(根拠もなしに伝説を信じるのは、基本的には今でもトンデモさんである)、もちろんマンガの中のモチーフとしては「少年の日の夢を忘れなかった人」でなければならない。
 トロイの少女メノアは、ちょっと『ミノタウロスの皿」のミノアを思わせる。落城で命を落とそうとする彼女を救い出すために、いったん時代を下ってシュリーマンの発掘現場に行くというのは秀逸なアイデア。ページ数がもう少しあったら、藤本さんはぼんたちとシュリーマンを会わせもしたのではないか。少年の夢を語らせるにこれだけうってつけの人物もほかにはいないからである。
 もっとも、作者は以前別エピソードでアンブローズ・ビアスとぼんたちを出遭わせてもいるから、それは二番煎じになる、と判断したのかもしれない。

 「死神の大群」
 藤子F版『赤死病の仮面』(^o^)。
 いや、扱われてるのは「黒死病(=ペスト)」だけれど。
 これももう少しページ数が欲しかったところ。
 ぼんたちが黒死病の元凶として処刑されかけるというハラハラする展開になるはずだったのに、ユミ子が「もうペストは峠を越したと事前調査してたから」とのんびりして言うんじゃ、せっかくのサスペンスってものが減じてしまう。もうひと波瀾、ほしかったな。

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12月27日(金)
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