ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491716hit]
■妻にはナイショ(^_^;)/映画『OUT』/『プリティフェイス』1巻(叶恭弘)ほか
「『サンデー』にも『ジャンプマンガ』がほしかったのだろう」とはよく言われたことだが、確かに友情・努力・勝利のジャンプ三原則(^o^)を標榜したようなドラマ展開、ラブコメ全盛の1980年代に、しかもあだち充『タッチ』を擁したその牙城たる『サンデー』に、全く可愛い女の子が登場しない(描けないわけではないことは『わたるがぴゅん!』を読めばわかる)、それどころか殆どが「男の裸ばかり」という相撲マンガを連載したということは実に「異例」ではあった。
しかし、ジャンプ的要素が横溢していても、私はやはりこれは「サンデーマンガだったなあ」と思ってしまうのである。それは何より、当時の単行本にして「10巻」という実に「適度な長さ」の印象によるものだ。なにしろ武蔵山高校の相撲部の戦いは地区大会しか描かれない。しかも団体戦のみで個人戦を五所瓦は棄権してしまうのだ。ドラマはまさしく「団体戦優勝」のゴールにのみを目指していて揺るぎもしない。半端な場繋ぎエピソードもなければ、敵役のインフレ(^o^)もない。最大のライバルは最初から最後まで田門一人。彼を「うっちゃる」ことのみにドラマは収束していくのである。人気があればダラダラ続き、なければムリヤリな展開での打ち切りが普通のジャンプ漫画とは全く印象が違う。一言で言えば「完成度」の差なのだ。ジャンプファンの方々には悪いが、ここ20年で完成度の高さを感じたジャンプマンガと言えば、『ヒカルの碁』第一部くらいしかない。
『サンデー』のいいところは、たとえ人気がイマイチな漫画であっても、10週打ち切りなんて問答無用なことはしないところである。人気がなかったと思しいあだち充『いつも美空』、ゆうきまさみ『KUNIE』ですら5巻、1年は続けさせている。1巻しか単行本が出なかった連載なんて、殆どないのではないか。
ジャンプマンガを一概に否定しようとは思わない。あれは基本的に「読み捨てマンガ」であるから、どんなに同じような展開、同じような連載が続こうと、構わないのだ。けれど、マンガに「ドラマ」を求める人間にとってはジャンプマンガはやっぱりつまらないのである。……昔はジャンブもここまでひどくなかったんだけどなあ。元凶はゆ○○○ごと車○○○なんだけどね。
よく「スポーツマンガはマンガの王道」と言われるが、『五所瓦』は王道中の王道である。しばらく絶版だったのが文庫化されてこうして読める、これは実に嬉しい。
小ネタだけれど、関西弁の外人、アントニオのいる和樽高校の選手の名前は吉本新喜劇の役者さんたちから取られている。花紀京、岡八郎、間寛平(4人目は不明。木村進か船場太郎だろうなあ)であるが、当時吉本は東京進出を果たしておらず、これは吉本ファンのみの密かな楽しみであった(よく見ると顔もちょっと似せてある)。
しげも気がついたら『五所瓦』を読んでいたが、タイトルを勝手に『うっちゃれ屋根瓦』と呼んでいた。だから似てる言葉で勝手に代弁すんなって(-_-;)。
マンガ、叶恭弘『プリティフェイス』1巻(集英社/ジャンプコミックス・410円)。
ジャンブマンガくだらねーと言いつつ、しっかり買っちゃってるよ、こいつは。だって女の子の絵がかわいいんだもん……ってバカか(-_-;)。
女の子が可愛いと言っても主人公の正体は実は男。交通事故で瀕死の状態に陥った高校生、乱堂政は片思いの相手の栗見理奈の写真を持っていたために、その顔に整形されてしまったのだ! しかも理奈には失踪中の双子の姉、由奈がいたために間違われる羽目に……。
って、すげーご都合主義。いや、ここまで開き治ってると逆に文句はつけたくなくなるんだけどね。
というか、これって今までありそうでなかなかなかった設定ではないかと思うのだ。事故にあって体を再生した時に女のカラダに……というのは今までにもいくらでもあった。最近では秋本治の『Mr.Clice』あたりが有名だが、個人的には安永航一郎の『県立地球防衛軍』でカーミ・サンチンが一回女にさせられた(けどしっかり女装して楽しんでた)のが好きだった。
[5]続きを読む
11月03日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る