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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■今から2ヶ月後のプレゼントで悩んでいる男の愚痴/『華麗なるロック・ホーム』(手塚治虫)ほか
 「今日は終わるよ。それがどうした」
 「記念日終わるやん」
 「……焼き肉食ったろ」
 「ケーキ食べとらんやん!」
 式にはケーキ。いかにも精神年齢低そうな刷り込みだけれど、しげの精神年齢は実際に低いのでこれは当然の発想ではある。けれど、以前、ホール1個をペロリと食べていたしげもさすがにここまでオトナになるとショートケーキを2、3個食うのが限界である。
 「……じゃあ、ロイヤルホストに行くか?」
 昨日の今日でまたロイホかよ、とは思ったが、ファミレスでもそれなりにディナー風味が味わえる点では重宝している。どうせ食うのは肉料理だが。
 土産にショートケーキを二個ずつ買って帰る。種類はケーキに詳しくないので、とりあえず知ってる名前のものを注文する。シュークリームとモンブランである。片方はケーキじゃないな(^_^;) 
 2ヶ月後には今度は入籍記念日が来る。そのときまでに私は何かしげが満足するイベントを考えつけるのだろうか。


 マンガ、手塚治虫『華麗なるロック・ホーム』(河出文庫・819円)。
 米沢義博編による、ロック・ホームの作品集セレクト。ヒゲオヤジに続いての第2弾だが、こういう編集の仕方の作品がこれまでなかったというのが不思議だ。水木しげるには『ねずみ男の冒険』があったのに。
 手塚治虫が取ったキャラクターシステムをファンなら知らぬものはなかろうが、いったん主役を張った二枚目キャラがまた別の作品でも主役を務める例は案外少ない。アトムだって百鬼丸だってブラックジャックだって、他作品に出演するときはあくまでゲストキャラである。ゲスト以上の役割を振られたのはケン一とこのロック・ホーム(間久部緑郎)くらいではないだろうか。
 米沢氏が解説でロックの変容ぶりを詳述してくれているが、初期作品ではお定まりの正義の探偵少年で、たいした個性もなかったのである。『バンパイヤ』で悪の魅力を発現して初めて女性ファンがついたというのはもう有名。
 収録作品について詳述してったらキリがないので、今回はロックの魅力を別の角度から、つまり、マンガではなく、映像化されたロックの軌跡からちょっと探ってみよう。手持ちのビデオテープで確認できる範囲なんで、随分抜けがあるとは思うが。

 初めて映像化されたロックは何かと言うと、実写版『鉄腕アトム』(1959)の第1部『ZZZ団の巻』に登場するリヨン大統領の息子、ロベール役、と言いたいところなのだが、コレがちょっとマズイのである。
 というのも、映像化にあたって、これが息子から娘に変更されているからだ。なんとロックの初映像化は女役だった! ……いや、『バンパイヤ』で女に変装したこともあるロックだからおかしかないんだけどね。「ミシェール」(字幕にはそう表記されてるが、本編では「アルベール・ミッシェル」と呼ばれている。リヨン大統領もなぜかアルベール・リヨン博士に変更)という名のその少女を演じているのは、字幕によればサディア・アルテンバイ。
 GOOGLE検索かけても全くヒットしないから、プロフィールが分らないんだが、同話に出演していて『スーパージャイアンツ』シリーズにも出演していたジャック・アルテンバイ氏の娘さんではないだろうか。いや、これがちょっと鼻は大きいけれどなかなかの美少女なんだよね。「天国のママ、パパを守ってくださいね」と祈るあたり、正統派「可憐な」美少女、と言った雰囲気でヨイのですよ(* ̄∇ ̄*) 。もちろん声は吹替えだろうが、口パクが合ってるから、一応、日本語は喋れるようだ。
 ついでだけれど、『アトム』のアニメ化は1963年1月1日が初めて、と思われているが、この実写版のオープニングで実は『アトム誕生』がアニメ化されてるのである。

 実写ではなく、アニメの初出演はモノクロ版の『鉄腕アトム』(1963〜1967)の第16話『白い惑星号』の星野光一役ということになりそうだ。

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10月21日(月)
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