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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■乱れる話いろいろ/『ぴたテン』1・2巻(コゲどんぼ)/『桃色サバス』1巻(中津賢也)
中津賢也(「なかつ・けんじ」と読む)さんも、その一角を担ってたのは間違いないのだが、私は面白いと思っていた『ふぁいてぃんぐスイーパー』、これだけ濃い作家に囲まれてると不利だったのか、2巻で打ちきり(後、未収録の短編を寄せ集めて3巻を出す)、『増刊サンデー』に連載した『黄門じごく変』『徳川生徒会』(結婚した後で知ったが、しげもファンだったそうだ)も2巻で打ちきり、作者本人が自嘲気味に「2巻作家」などと自称していたくらいだった。
確かに中津さんのマンガは、ページ数の関係もあるのか、面白くなる寸前で尻切れトンボで終わるものが多かったんで、作り手も読み手もドラマ嗜好の強い『サンデー』ではイマイチ人気が取れなかったのも分るのである。残念なことだが、『サンデー』ではシチュエーションコメディは受けても、スラップスティックは受けない。
実のところ、中津さんのギャグの本質はスラップスティックであって、シチュエーションコメディにはない。高橋留美子とは違うのだ(『うる星』ではスラップスティック的要素が強かったのが、『めぞん一刻』以降、どんどんシチュエーションコメディに偏っていった)。サンデーの編集者、中津さんを無理やりシチュエーションコメディの枠に嵌めこんだせいで違和感が生じちゃってたのではないか。
角川での今はなき『コミックコンプティーク』での数本の連載を経て、『YANG KING』に移って、ようやく中津さんは本領を発揮したように思う。
『虹色サバス』では、魔神ベルゼビュート(「蝿の王」ですな)の魂を宿した高校生、魔道玉吉を守るために魔女カゴメがやってくるって基本設定はあるものの、エピソードを重ねるにつれ、ほとんどそんなのはどーでもよくなっている。
要するに「追っかけ」と「エッチ」が描けりゃいい、というように開き直っているのだ。だから、出てくるキャラが「カゴメのヌードが撮りたくて追っかける」玉吉のオヤジとか、「玉吉の精液がほしくて追っかける」魔女マユとか、そんなんばっか(^o^)。しまいにゃ「発情期になったカゴメを玉吉が追っかける」なんてパターンまで出て来たぞ。ホントにナニしかないのな、このマンガ(^_^;)。
でも、その開き直りが、この作品でついに2巻作家(ほんとはもうちょっと描いてるけど)を脱出できた一番の理由。角川まではずっと中津さん追いかけて買ってたんだけど、まさか『サバス』でバケるとは思ってなかったから、単行本買ってなかったんだよね。
いやはや、不明の至りであります。
07月16日(火)
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