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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■イカが怖い/『育ってダーリン!!』A・B巻(久米田康治)/ドラマ『ししゃもと未亡人』ほか
 その昔、と言っても昭和62年だからついこの間だが(私はもう、昭和50年以降は「最近」と呼ぶことにしたぞ。文句あっか)、関西テレビ系で『現代恐怖サスペンス』の第一話として放送されたもの。タイトルが全然変わってたから、最初原作がなんだか気がつかなかったのだが、これ、阿刀田高の代表作の一つ、『干魚と漏電』の映像化だったのだね。
 引っ越してきた家で、電気代が前に住んでいたときより増えていることに気付いた未亡人が、その原因を調べて、電器屋や役所と交渉・家捜ししていくうちに、謎の電気コードが床下に続いていることを知って……というストーリーなんだけど、驚いたのは、トリックのネタ、冒頭でバラしてやがること(^_^;)。
 だからまあ、ミステリーの映像化としては駄作としか言えないんだけど、これが妙に世間では評判を読んでるらしいのだよね。ナンシー関と町山広美の対談本『堤防決壊』でも「すごく怖いドラマ」として紹介されてたし。いや、何がコワイって、たかだか千円程度電気が増えてただけで、その原因に拘る未亡人の偏執狂ぶりに。で、その未亡人を演じてるのが小川真由美だから、演技に説得力があることったら(^_^;)。
 わざとネタバレさせたのも、予め結末が解ってれば、カタストロフに向かって一歩一歩近づいていく小川真由美の悲運が際だって、「恐怖サスペンス」になるってことなのかも。
 小川真由美以外はみんなチョイ役なんだけれど、これに実にゼイタクないい役者さんを使ってるのもドラマに厚みを加えている。役所の署員に故・小坂一也、近所の魚屋に菅井きん、電気代の集金人に平田満、隣家の主人に三谷昇(小川真由美にハイエナそっくりと陰口叩かれるギャグあり)、電機修理屋に松田洋治、役所の調査員に益岡徹。ああ、ビデオに撮って、しげにも見せればよかった!

06月26日(水)
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