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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■中華幻想/『仙人の壷』(南伸坊)ほか
 そういう情況自体を楽しむスタンスも現代を読み解く重要な手段だろうと思うんである。
 下品をバカにするなかれ、だね。


 シティボーイズのファンサイトに、例の『ラ・ハッスル智恵子ショー』のカットの理由がアップされている。
 WOWOWの回答は、「当コントは、詩人・高村光太郎とその妻・智恵子を題材にしたコントですが、放送にあたりその内容を検討したところ、表現内容に不適切なものがあると判断し、主催者側と協議の上、番組内容から削除致しました」ということだそうな。
 この「不適切」って言葉の内容を説明しないところ自体が卑劣きわまりない。
 「差別」だとはっきり言っちゃうと、逆にあちこちから突っ込まれかねないからボカしているのがミエミエだ。
 きたろうさんも『PINKY YELLOW』の中で、「一番時間をかけて創ったコントが放送できませんでした。ものすごく残念ですが、著作権やら、大人の社会の難しい問題があるようです。適当に想像してください。幻の作品になりましたが、ライブの興奮は映像化されない方が残りそうです」と語っているが、となるとDVDの際も収録されない可能性は大である。
 この手の問題では、いい加減腹が立って来てるので、こうなったら言ってやるぞ。
 「差別をなくそう」なんて偽善を語るのはもうやめてしまえ。
 人間の心は基本的に差別をするようにしか出来ていないのだ。
 人間にできることは、自分自身の心の差別を運命として受け入れることと、他人の差別を赦すことだけなのだ。
 ……言っても聞かないことは知ってるけどさ。「差別」に触れないでいることの方が、どんどん差別できるってこと、差別者たちはよく知っているからね。
 
 
 CS時代劇専門チャンネルを何気なく見ていると、なつかしの『吉宗評判記 暴れん坊将軍』第一シリーズが。
 ちょうど見てたのが『132話 駆けろ!天下の紀州号』ってヤツ。
 おっ、ヒロインのたまえ役、特撮ファンにはお馴染みの斎藤浩子だ、とか思いながら見てたんだけど、ストーリーを追っかけていくうちに、アレ? この筋、どこかで見たことあるぞ、と感じ始めた。
 吉宗がアラビア産の紀州号という馬を輸入して、日本の馬の品種改良をしようとするのだが、古来より日本馬の産地として有名な南部藩は猛反対。
 どちらの品種が優秀か、ということで「早駆け」が催されるのだが、なんとその直前に紀州号が行方不明になる。現場に残された「白い布」を頼りに、紀州号の捜索が始まるが……。
 ……はっはっは。いやもう、ミステリファンには一目瞭然、元ネタは言うまでもないねえ。
 コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズの回想』中の名編、『銀星号事件(シルバー・ブレイズ)』だ。
 いや、まさか『暴れん坊将軍』を見ていて『シャーロック・ホームズ』に出会えるとはねえ。これだから時代劇は油断がならない。
 よりミステリ色の強い横溝正史の『人形佐七捕物帳』なんか、『恩愛の凧』はやはりホームズの『ソア橋事件(トール橋事件)』を元にしてるし、『百物語の夜』はクリスティーの『オリエント急行殺人事件』だったりする。
 こういうのを調べていくのもオタクの使命の一つだと思うが、八幡の藪知らずに迷いこんだようなもので、キリがないのも事実なのな。
 『市民ケーン』の元ネタがクイーンの『Yの悲劇』だってことも故・瀬戸川武資さんが指摘するまで、だれも気づかなかったしねえ。いや、私もだ。両方知ってたのになあ。


 CSキッズステーション『こみっくパーティ』第3話。
 すっかり毎回可愛いゲストを出すのが定着したこのシリーズ、今回は主人公の和樹が同人誌即売会に臨む話。隣のブースに、いかにも内気なメガネっ娘が座るが、どうも個人誌を作ってるって設定らしい。しかもパロじゃなくてオリジナル本。……アレだね、引っ込み思案だけど、実は心に強い情熱を秘めてるってのがこれほど解りやすいキャラもいないな。
 でも、パロやらずにオリジナルって姿勢、私は大好きだ。パロやってるとパロしかやれなくなるものなのよ。

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09月05日(水)
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