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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ヒビキヒビキヒビキ/『劇場版 仮面ライダーヒビキ(響鬼)と7人の戦鬼』
レイトショーを選んだので、劇場内に親子連れは一、二組しかいない。つか、こんな夜に小学生を連れてくるな馬鹿親。後はカップルが私たちも入れて二、三組、それ以外の数十人は全員、見てすぐに分かるオタクである。男五人くらいで来てるやつもいた。しかもみんなメガネ。彼女作れよお前ら(涙)。
『マジレンジャー』の方は、もう見所は「魁と山崎さんのおっかけっこ」と、「曽我町子」に尽きる。
『スターウォーズ』の「草むらゴロゴロ」は許せないのに、『マジレンジャー』なら許せてしまうのは、やはりドラマのレベルが格段にこっちの方が上だからであろう(笑)。ついでに言えば、殺陣も段違いにいいしな。ライトセーバーなんて結局、最後までただの光る棒をフラフラ振り回してるだけだったじゃねえかよ。カット割りもジョージ・ルーカスは戦隊シリーズを見て研究すべきだ。断言するが、アクション・シーンでのスピード感、スローモーションの適切な使い方、戦隊シリーズは黒澤明、サム・ペキンパー並に上手いんだぞ。
曽我町子は「天空大聖者マジエル」の役であるが、事前に出演するなんて情報、一切知らなかったのに、リンが「マジエル様に報告しなければ」と言った途端に「曽我町子かな?」とカンが働いて当たってしまった。一瞬、「オレってエスパー?」とか思ったが、考えてみれば、「魔法モノ」で「大ボス(今回は善玉だけど)」と来れば、曽我さんを連想しても全然おかしくないのである。アバクラタラリンクラクラマカシン。
『ヒビキ』は劇場版もやっぱり井上敏樹脚本であるが、これも「戦国もの」ということで、半可通なオタクがあっちこっちのサイトで「時代考証がなっとらん!」と馬鹿な文句を付けまくっていた。
……だから『ヒビキ』に時代考証を求めてどうするよ。もともと「鬼」の設定自体が時代考証無視してるだろうが。各地の鬼が野球チームになぞらえてあったからってそれがどうした。「実は世間では知られていなかったが、名古屋には戦国以前から金のシャチホコ伝説があったんだろう」と突っ込んで笑ってやればいいじゃんか。少なくとも怒ることはないんだが、『ヒビキ』ファンも、『ハガレン』ファンと同じく、腐女子化しているから、とうに常軌を逸してしまっているのである。
ついでに言っておけば、「博多」の場合、この地名は平野が鳥の羽のように広がっているから「羽形」と言ったのが語源であるという説がある。やや牽強付会な点はあるが、博多の土地が古代から南側の山の上から見て「鳥の羽の形」だと認識されていたのは事実だ。博多に「ダイエーホークス(現ソフトバンク)」が来たのは全くの「偶然」であるが、少なくとも「ハバタキ」は伝説の博多の鬼として全く違和感がない。こういう符合もあるんだから、あまり時代考証を四の五の言うもんじゃないんだよ。井上脚本ってだけで、批判のための批判をしてるとしか、一般人には見られないよ。「これだからオタクは」とまた言われたいんかね。
そういうどうでもいい難癖を気にせずに見れば、これは見所満載の映画である。もちろん、マトモな映画を期待して見るんじゃなくて、「ヘン」なところを楽しむためのものだ。
最初は物語の舞台はまだ現代。明日夢君が既にヒビキの弟子になっているのにまずビックリ。多分、テレビシリーズの後日談、という設定なのだろう。これまで戦ってきた魔化魍の中でも最大級と言える「オロチ」との戦いで、ヒビキは傷つき、病院に運ばれる。自分の無力を恥じた明日夢君、オロチの攻略法はないものかと古文書を紐解く。そこに「明日夢」の文字を見つけ、自分と同じ名前を持つ少年が戦国時代にもいたことを知り、その符合に明日夢は驚く。ここから物語は、「オロチ退治に関わった七人の戦鬼」の物語にスライドしていくのだ。
ご覧の通り、物語の設定自体が「偶然の一致」から始まっているのである。時代考証を云々することがいかに下らないかがこの点でも分かる。まあ、ツッコミを入れるとすれば、「オロチのいけにえにされる村の娘を守るために、七人の鬼を集める」という設定が、「『日本誕生』+『七人の侍』かよ」とありふれすぎている点であるが、これも集まってくる鬼たちのユニークさ、おかしさに、まるで気にならなくなる。
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09月04日(日)
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