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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■「子供のために」と言ってる大人にろくなやつはいない/映画『ハービー 機械じかけのキューピッド』
だからさあ、高校の部活動で野球だけが突出して騒がれてる状況だって、決して教育的にいい効果があるとは思えないし、ハッキリ賭博に利用されてる事実だってあるんだしさあ、それこそ全国大会そのものをいっぺん自粛するくらいのことやってもいいと思うんだよ。いくらスポーツなんかしてたって、健全な精神なんて培えないんだから。
夜、AMCキャナルシティ13で、映画『ハービー/機械じかけのキューピッド』。
先週公開されたばかりだと言うのに、興行収入のベストテンに全く顔を出さなかったので、こりゃあ早々に打ち切られるなあと思って見に行く。
出かける前、『亡国のイージス』を見に行きたがっていたしげとちょっとモメる。「そっちもどうせ見に行くんだから慌てなくてもいいじゃん」と言ったら、「ノルマみたいに見に行くのがイヤ」とそっぽを向かれた。これでも見に行く映画絞ってるんだがなあ。
『ハービー』も最初はそれほど心惹かれるほどではなかったのだけれど、『ラブ・バッグ』のリメイクではなく、ちゃんと「続編」になっているというので、それなら見に行かなきゃ、という気分になったのである。
1969年の『ラブ・バッグ』に始まる「心を持った」フォルクス・ワーゲン「ハービー」を主役に据えたディズニー制作の実写シリーズは、第2作『続ラブ・バッグ(ハチャメチャワーゲン大騒動)』(1973)、第3作『ラブバッグ/モンテカルロ大爆走』(1977)、第4作『ビバ!ラブ・バッグ』(1980)、テレビ版リメイク『新ラブバッグ/ハービー絶体絶命!』(1997)と続いてきた。タイトルの「ラブ・バッグ(愛の虫)」は、フォルクス・ワーゲンがその形状から通称「ビートル(カブトムシ)」と呼ばれているため。
多分シリーズのうち3作くらいは見てるはずなんだが、かなりムカシのことである上、内容が大同小異なので、どれがどれだったかよく覚えていない。ハービーの持ち主は作品ごとに変わってたように思う。なんとヘレン・ヘイズがオーナーだったのは第2作であった。
続編ではあるが、冒頭にこれまでのシリーズを簡単に振り返るシークエンスが用意されているので、初見の人でも話を理解するのに困ることはない。かつてレースで連戦連勝だったハービーも、寄る年波か全然勝てなくなって廃棄処分、ついにスクラップにされかけてしまう。旧シリーズを見ている人にとっては、一度でもハービーに乗って友達になった人間が彼を捨てることになるとは信じがたいのだが、主役を若返りさせるためにはこのムチャな設定も仕方がないのだろう。新しいハービーのオーナーは、マギー・ペイトン。演ずるは今をときめくティーンのアイドル、リンジー・ローハンだ(こないだまで「リンゼイ」と表記してたのに、どこかからクレームでも付いたのか)。
ペイトン家は一家でレーシングチームを結成しているが、連戦連敗。マギーもかつてはレーサーだったのだが、一度事故を起こしたために、父のレイ(マイケル・キートン)からレースを禁止されている。そんな彼女には、今のチームのふがいなさが歯痒くって仕方がない。
マギーは大学の卒業祝いに買ってもらったハービーに乗って試運転。ところがハービーはいきなり勝手に走り出し、あげくの果てにはNASCARの人気レーサー、トリップ(マット・ディロン)に喧嘩を売ってしまう(バックミラーでトリップの車体にキズを付けていくシークエンスが可笑しい)。早速始まる二人のストリート・レース。とまどうマギーだったが、予想に反したアクロバット運転で見事にトリップを打ち負かす。そのとき、マギーの心の中に「走りたい!」という強い熱情が蘇ってきた。
しかし、勝者のプライドをズタズタにされたトリップは、なんとかしてハービーの秘密を探り出し、復讐する機会を得ようと、巧みな罠をマギーに仕掛けてくる……。
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08月04日(木)
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