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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■無意識の戦争/舞台DVD『仮装敵国 〜Seven 15minutes Stories〜』
 他人の体も動かせるようになる、という設定には無理があるが、3人のロボットチックなマイム、他人を動かすことによって生じるトラブルが面白く、そういう無理は気にならなくなる。発想は二人羽織なんだろうけれど、それを「一人」で演じるところがミソ。
 
3,土田英生「潜入」60点
 忍者七人が、敵の城に潜入して殿様を暗殺しようとする。ところが直前になって部下たちが次々と「草」(つまり二重スパイね)であったことが判明、味方はどんどん減っていく……。
 まあ、結局「そしてだれもいなくなった」って結末になるのは見えているが、その「去り方」にそれぞれのキャラクターに合わせた工夫をしているので決してつまんなくはない。コング桑田がくノ一というムチャな設定も笑わせるし、最も忍者らしからぬ春風亭昇太のトロくさい演技も微笑ましい。けれど「『忍たま乱太郎』だよこれじゃ」という印象もぬぐえない。

4,千葉雅子「危険がいっぱい」50点
 元漁師の清掃夫二人(コング・福田)が、ちょっとワンテンポ遅れた感じの後輩(久ヶ沢)をイジッてからかっている。けれど後輩の方はどこ吹く風。二人は適当にサボりながら好き勝手なことを喋っているが、突然後輩が倒れて仰天する。そこは原発で、漏れた放射能に後輩も二人も汚染されていたのだった。
 途中までは女の話なんかしていかにも俗っぽい先輩二人と、実は事故で脳に損傷のある後輩とのボケとツッコミのやり取りが楽しいのだが、落ちが唐突で脈絡がなく、「はあ」という感じの一編。原発に関する知識が全くないってのも不自然っぽいが、でも現実に原発事故で死んだ人はホントに知識がなかったりしてるから、リアリティがないわけではないんだが。

5,故林広志「理想の部屋」65点
 開戦を目前にして、シェルター内で討議を続ける総理大臣(昇太)・厚生大臣(松尾)・官房長官(コング)。評論家(久ヶ沢)。会話が盗聴されているということで、急遽「暗号での会話」に切り替えるが、その暗号コードが「カップルの会話」を模しているために、緊迫した状況が痴話げんかのように聞こえてしまう。ところがそこに厚生大臣の恋人(辺見)が現れて、本当に痴話げんかを始めてしい……。
 これもよくある「言葉の取り違え」ギャグだけれども、かなりな部分までエスカレートされていて、まあまあ高水準の出来。けれど、閣議に関係ないけどなぜか紛れ込んでしまったという評論家っておいしいキャラを後半の展開では生かしきれなかったことと、もっと混乱させてテンポを早くすることもできるんじゃないかって疑問が出て来る点で、若干消化不良が残る。
 
6,後藤ひろひと「ONE ARMED FORCES」70点
 戦場で、塀の上に横たわり、落ちてきた爆弾を片手にぶらさげ、必死になって重さに耐えている兵士(福田)。手を離せば当然爆弾は落下して大爆発を起こしてしまう。そこにニトログリセリンを本部に運ぶ途中の上官(松尾)がやってくるが、彼も左腕を負傷してい助けることができない。衛生兵(八十田)がやってきて二人を助けようとするが、うっかりニトロを受け取ってこれまた身動きできなくなってしまう。そして最後にやってきた女性兵士(辺見)は……。
 一編のスケッチとしては一番まとまっている。最終的にどう考えても脱出のしようがない(つか、手榴弾のピンを抜いているから、数秒後にはどうしたって全員爆死である)状況なのに最後がとぼけたセリフで終わるのもツボを押さえたオチだ。まとまっているだけにさらに「この状況から脱出できたらもっとすごいスケッチになるよな」とつい期待したくなるのは欲深な要求か。

7,ケラリーノ・サンドロヴィッチ「スポンサー」75点
 旅行先の料亭で、不倫カップル(松尾・辺見)が別れ話をしている。そこに仲居(昇太)が茶碗蒸しを持ってやってくる。茶碗蒸しを食べた夫は突然苦しみ出して絶命。実は女と仲居は共謀して夫を毒殺しようとしていたのだった。

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08月01日(月)
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