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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■あのここな無知蒙昧な糞ったれどもめが(怒)/『空中ブランコ』(奥田英朗)
 私にとってのベスト・ヴァリアントは何度も日記に書いてきた通り天津敏さんなので、実は自分でも資料を集めかけて特集ページを作ろうと考えていた時期があった。けれどその過程で中田さんがやはり熱狂的なファンで、出版も視野に入れて調査をしていると知って、私ごときの出る幕ではないなとやめた。もちろん計画が頓挫したからと言って、私に悔しさは微塵もない。本当のファンなら、対象に対する独占欲は生まれないものだ。赤の他人ながら、私は中田さんにそっと心の中でエールを送っていた。
 天津さんが亡くなられてもう26年になる。天津さんがどれほど素晴らしい役者であったか、私の身の回りにいる若い人たちは殆ど知らない。言葉で説明したって伝わらないし、出演作のDVDを見せようとしてももともと興味のない役者の作品なんて見ようとしてもくれないし、だからと言って強制するのもいやなので、諦めている。けれど、天津さんは、決して歴史の流れの中で忘れられていい役者ではない。断じてない。
 私たちの世代には説明も不要な『隠密剣士』の風魔小太郎、『仮面の忍者赤影』の甲賀幻妖斎が代表作で、映画にも『日本侠客伝』シリーズ、『緋牡丹博徒』シリーズ、『日本女侠伝』シリーズなどで印象的な悪役を演じた。その魅力は私の拙い筆ではとても表現しきれない。勝手ながら中田さんのホームページの文章を引用させていただく。

> 「いまどきの悪役はサイコや訳ありばっかりだ。これでは主役は引き立たない。天津敏の悪役は純粋に私利私欲のために生きる悪役だった。知的で男らしく、責めて恐く、受けて色っぽい、とてもリバーシブルな敵役。」
 43才から亡くなるまで、たった15年間、悪役一筋に賭けたオヤジの星。そういう意味でも天津敏は不世出の悪役である。」

 今度の出版が、若い人たちにとっても格好の「天津敏」入門書になってほしい、そう願っていたのだが、数日前から中田さんの掲示板で、本を読んだ読者の何人から、困った「荒らし」が行われるようになっていた。
 例えばこんなのである。 

>「ほとんどインタビューだけで繋いでいくという構成には
 ややツラいものを感じました。
 やはりどなたかの手による本論(真っ当な俳優天津敏論)が冒頭にあって
 そのコーナーで天津さんの功績の説明がきっちりなされたあと、
 ゆかりの人々のインタビューのパートが据えられるという構成のほうが
 読みやすく、購入対象者にアピールし易かったと思うのですよ。
 また、インタビュー相手がどういうひとかについての説明が
 ないのも不親切かと」

 一見、普通の意見を述べているように見えるが、これ、単に自分の無知、勉強不足、モノシラズ、ついでに性格の悪さを棚に上げて、傲慢に振舞っているだけである。
 「真っ当な天津敏論」って、何をもって「真っ当」と評するのか、だいたいこの演劇後進国の日本で脇役俳優のありようについてまで目を配って役者論を展開した例がどれだけあると言うのか、天津敏に関しては中田さんのこの労作が殆ど嚆矢であることにこの馬鹿は気づいていないのか、インタビュー相手が誰か分からないならそれこそ自分で調べろ、なんでも説明されなきゃお前の頭は回らんのかこの糞が、と怒り心頭に発した。
 こういう甘え腐った若造(かどうかは分からないが、文章から見ても四十代以上とは到底思えない)が蔓延しているから、年寄りの怒りの種は尽きないのである。てめえらは「アジカンって鯵の缶詰?」とか、「モー娘。なんてみんな顔同じじゃん」とか言われたら腹立たないのか。
 こういう馬鹿がウザイので、中田さんは仕方なく次のようなコメントを掲載せざるを得なくなった。

> 「『テレビが生んだ悪役スタア 天津敏』の読み方が分からない人のためにガイドいたします。
 1:この本は資料本です。その証拠はカバーをとれば一目瞭然です。
 2:インタビュー内容と総目録を熟読すれば天津敏の人と仕事が見えてくる内容になっています。
 3:想像力を巡らせて読んでください。
 4:その上で「天津敏論」を自分の中で組み立てていって下さい。そのための資料本です。

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07月27日(水)
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