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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■死者にムチ打て/『シティボーイズミックスPRESENTS メンタル三兄弟の恋』パート1
「本当だよ! 何言ってんの!」
「じゃあ、急いで並ばないと。食事はどうする? ハンバーガーでも買って、並んで食べるしかないか?」
「なんで並ばないといかんの! 指定席なのに!」
「はあ? 今、自由席だって言ったじゃん!」
「それは電車の話!」
「誰が電車の話してたよ?! 『着いたら食事』って言ってんだから、会場の話に決まってるじゃん!」
「いや、だからオレもなんでアンタが今更電車の話をするのか、馬鹿になったのかコイツって思って……」
「勝手に脳内で話を変えてるのお前だ!」
しげの妄想は普段でもいつ何どき発動するか分からないから怖い。相手の言葉の脈絡を掴む術に劣ってる分、妄想でそれを補っているのだが、もちろん妄想だから補ったことには全然ならないのだ。意志の疎通ができなくて困ることも多いのだが、これが単純にコトバを間違って覚えてるだけならたいした問題ではないと言えなくもない。コトバの誤用は時代を経れば市民権を得ることもあるからだ(『情けは人のためならず』も誤用のほうが多かったりするからねえ)。でもしげのような先走った妄想や思い込みで会話が成立することは永遠にない。しげのもうそうはこういう「空腹時」にやたら発動するので、しげにマトモな会話をさせようと思ったら、四六時中食わせとくしかないのである。
おかげでしげの体重は年々増加の一途にある。そろそろ「逆転」が近いかな。
「リバーウォーク」内の「福家書店」で、よしひと嬢と待ち合わせ。ここで福岡じゃ売り切れてて買えなかった吾妻ひでおの『ななこSOS』3巻(ハヤカワ文庫)を入手。ちょうどそこによしひと嬢が現れて「何か新刊出てましたか?」と聞かれたのだが、「いや『ななこ』がね」と言っても伝わらないだろうなあと思ったので、「あまりないねえ」と答えてしまう。多分『不条理日記』あたりだったらよしひとさんも面白がるだろうと思うのだが、『ななこ』はなんたって『ななこ』だからなあ(笑)。
3人で何とかという名前の“肉の店”に入ってハンバーグセットを一律注文。ハカセ(穂稀嬢)の結婚式の話などでひとしきり喋る。ラクーンドッグさんの公演と期日が重なっているので、PPのメンバーで分担して行くか、何とか掛け持ちできないかなどの相談。ハカセ、“本当に”祝福されてるんだなあと実感する(笑)。
北九州芸術劇場大ホールで『シティボーイズミックスPRESENTS メンタル三兄弟の恋』。
会場に入る前に、ダイレクトメール用のチケット半券に住所と名前を書いていたら、しげとよしひと嬢に数歩遅れた。と思っていたら、二人の姿があっという間に見えなくなる。脱兎の如く走って行く二人の姿がチラッと眼の端に見えたので、指定席なのに何をそんなに焦っているのか、と思って追いかけると、しげは公演パンフを買って、「先着サイン付きだよ!」と叫んでいた(お三方+中村有志さん。まぬけ会のサインはなし)。
これまでの東京公演でも、シティボーイズのみなさんのサイン付きパンフが“抽選で”当たることはあったが、先着順とはなかなかの大盤振る舞いである。今日、明日が楽日だから、これで売りきっちゃおう、ということだろうか。私のように映画や芝居を見たときには必ずパンフを買う人間はどうやら世間には少ないらしいのである。よく「類友」だとからかわれるのだが、どうしたことか知り合いの「オタク」と呼ばれる人たちで、パンフを必ず買うって人はただの一人もいない。パンフは必ずしもオタク属性と関わらないと見るべきか、単に金をケチってるだけなのか。
よしひと嬢も、普段、パンフは買ったり買わなかったりなのだが、今日はしげと一緒になって嬌声を上げている。一冊一冊、パンフのサインは別々で、しげは中村有志さんの、よしひと嬢は大竹まことさんのサインパンフをゲットして、飛び跳ねているのだ(最初に買ったのは逆だったのだが、交換したのである)。しけがまた目を潤ませていたので、結局、大竹さん、きたろうさん、斉木しげるさんのサインパンフも買った(別に慌てなくても係りの人に言えば希望の役者さんのサインパンフがもらえたのである)。というわけで実は私のウチには『メンタル三兄弟』のパンフレットが4冊あるのです(笑)。
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05月24日(火)
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