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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■心に残る余震/『新・吼えろペン』1巻(島本和彦)
テレビで『愛のエプロン』、『相棒』最終回など。高橋由美子が二役を演じるが、片方は「元男」の役。性転換のことを今どきゃ「トランスジェンダー」って言うのな。意味は分かるが「性転換」って言葉をわざわざ英語にしなきゃならない必然性ってあるんだろうか。
マンガ、島本和彦『新・吼えろペン』1巻。
なんかもう、島本和彦のライフワークになりつつある「炎尾燃(ホノオ・モユル)」シリーズ。いやあまさか「新」まで続くとは思ってなかった。一見、熱血、でも結構卑怯で軟弱なとこもあるという島本ヒーローを作者自身が演じているわけだから、これが面白くならないわけはない。作者がたとえどんなに「炎尾燃と島本和彦は別人です」と主張しても、読者は両者をイコールとして見て面白がっているのである。イコールじゃなきゃつまらないじゃないか(笑)。
今回は殆どが『逆境ナイン』(作品中では『逆上ナイン』)映画化のエピソードなんだけれど、いったいどこからどこまでが本当で、どこから先が脚色なのかが気になって仕方がない。島本さんのホームページを見る限りでは、マンガに描かれているほどまで撮影現場に入り浸っていたわけではなさそうだが。映画の演出を変えたくて、原作マンガの結末自体を描き換えてしまうとか、エキストラ出演することになって「自分はヒーローの演技しか出来ん!」とゴネたりとか、こういうのはかな誇張が入っていると思うが、「藤岡弘、はアドリブで燃える台詞を言う」というのは一切誇張がないかもしれない。
気になるのはサカキバラ・ゴウ役のココリコ田中直樹だけれども、日記では誉めているのに、マンガのほうには全く出番がない。もしかしたらこれがやっぱり映画のネックになってしまうのかも……。って、ロードショー、福岡まで来るんかいな。
愛知万博(愛・地球博)がいよいよ3月25日に開幕。
1970年の大阪万博が精神形成の根っこにある世代としては、こりゃぜひともいっぺんは行っときたい、できれば最低三日は滞在して隅々まで見て回りたいと思うんだけれど、大阪万博の大混雑も体験している身としては、土・日に行くのはイヤだなあ、といささか気後れもしてしまうのである。かと言って平日に休みを取るのはムチャクチャ難しい。比較的休みが取りやすいのは夏場の盆あたりだろうが、炎天下に広い会場を歩き回りゃあ死ぬ目に遭うだろうことも容易に予測が付く。気候的には秋口、閉会間際が一番いいように思うんだが、そんなに都合よく行くわきゃないのである。ああ、押井守総合演出の『めざめの方舟(はこぶね)』、ムチャクチャ興味があるんだが。
しかし今回の愛知万博、大阪万博に比べるとどうもイマイチ盛り上がってないように思えてならない。分かりやすい例で言えば、万博のメインテーマだ。これが殆どと言っていいくらい、世間に浸透してないんじゃなかろうか。我々の世代で大阪万博のメインテーマ「人類の進歩と調和」を答えられない人間はまずいないのだが、愛知万博のテーマは? と質問されて、すぐに答えが出てくる人は、今現在で日本人の何パーセントいるだろう。正解は「自然の叡智」。若い人だって、答えられない人、多いんじゃないか。つか、愛知万博自体に興味がないのかもしれない。
愛知県は、開会前から「“自然の叡智”を謳う万博が自然を切り開いて会場設営するのは矛盾ではないか」という批判を浴びて、会場の規模を縮小せざるを得なかったというとんだ不手際を晒してしまっている。実際に客が目当てにしているのは「自然」でも「環境」でもなく、ロボットやらスタジオジブリの出店やら、自然とは何の関係もないものばかり(アニメーションという自然と最もかけ離れた技術によって表現される「環境保全」とやらがいかに偽善的であるか、ジブリ信者はもちっと自覚したらいかがか)。世界各国のメディアも、注目しているのは科学技術や未来を表現したパビリオンやイベントの煌びやかさなどで、「自然との共存」なんて見向きもしていない。表の顔と内実との乖離が激しすぎるのである。
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03月23日(水)
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