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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■『のび太の恐竜2006』(仮題)?!/DVD『ダーク・クリスタル デラックス版』
 ところが、5時になってもしげが出かけようとしないので、「練習、行かなくていいのか?」と聞いたら、「え? 七時でいいんだよ」なんて言う。どうやら言葉の行き違いがあったらしいのだが、よくよく問い質してみると、しげは裏方だから練習には殆ど出る必要がないらしいのだ。どちらかというと、勝手に押しかけてって、好き勝手なことを言って打ち合わせを引っ掻き回しているような様子なのである。「家事ちゃんとするから」とか言ってパートも辞めたというのに、毎日のように家を空けていたのでは約束が違うのである。叱り飛ばしたらシュンとして「アンタ中心にものを考えればいいっちゃろ!?」なんて口の利き方をする。「自分の仕事が何か考えろ」ということが言いたいのに、どうしてそんな風に自分が被害に遭ってるようなモノイイしかできないのか。
 結局。今日も練習には行かなくてもよかったようで、なんのために早目に帰ったんだか意味がないのであった。居残りの仕事を同僚に代わってもらって有休取ったというのに、こいつは相変わらず自分の都合でしか行動しようとしない。それで何度も劇団辞める羽目になったというのにどうしてこうも学習能力がないかな。
 ケンカでゴタゴタしたんで、テレビもあれこれ見損ねた。ああくやしい。

 しげは空いた時間を利用して、ガードレールに引っかいて前輪の部分がボコボコッとへこんだ車をダイハツに持っていって、代車をもらってきた。「乗り心地は?」と聞くと、「怖い」と言う。
 「アクセルは効かないし、ブレーキは効き過ぎる」……でも逆だとすごく困ることになるんだが(^_^;)。


 今年の春は製作されない映画『ドラえもん』だが、一年置いた2006年の内容が発表された。なんと原点がえりの『のび太の恐竜』のリメイクである。
 総監督には、TVリニューアルシリーズと同じ楠葉宏三氏。監督には『帰ってきたドラえもん』などで、その演出力を高く評価された渡辺歩氏。スタッフ・キャストともに全面入れ替えということで、さてどうなることやらと不安もかなりあったのだが、フタを開けてみると前々からファンの希望も高かった渡辺氏の登板ということで、順当な世代交代だなあ、という印象である。
 藤子・F・不二雄氏亡きあとの劇場シリーズの迷走ぶりを見れば、「『ドラえもん』、もう終わってもいいんじゃないか」の声も巷では決して少なかったとは言えない。ただ、アニメってのはいったん終わってしまえばそれはあっという間に過去のものとなり果てる。手塚治虫が、横山光輝が、水木しげるが、石森章太郎が、赤塚不二夫が、永井豪が、二度三度どころか四度、五度、六度、と尽きることなくリメイクされていくのは「忘れ去られないため」の手段だ。『のび太の恐竜』のリメイクと聞けば、どうせまたぞろ「旧作のイメージを壊すな」とか知ったかなことを一席ぶちたがるやつらはいるだろうが、いったいあれが何年前の映画だと思っているのだろうか。現代の目で見れば旧『のび太の恐竜』はかなり古臭い。それはアニメ技術がまたまだだった、ということだけではなく、「SFとして」見るに堪えない描写が多すぎるのである。
 『ジュラシック・パーク』を見たあとでは、ティラノザウルス・レックスが「二足で直立歩行している」というのは明らかに「おかしい」と分かる。それどころかプテラノドンは「羽ばたいて」飛んでいる。いや、そもそも『のび太の恐竜』というタイトル自体がまずい。フタバスズキリュウは、海棲爬虫類ではあっても、「恐竜ではない」からだ。なつかしアニメとして見る分には構わないが、現代の子供に見せるには不都合な部分が多々あるのである。

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02月15日(火)
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