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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■夢見る頃は過ぎてるか?/映画『悦楽共犯者』ほか
 ところがしげ、家に帰りついた途端に今度はいきなり「ダイヤモンドシティに行く」と言い出した。ついさっきまで「外出したくない」とか言ってたのに、どうしたのかと思って聞いてみると、「明日履いてく靴を買いたい」と言うのである。本当は昨日、買い物に出かける予定だったのだが、やはり出かける寸前になって「眠い」と言って取り止めていたのである。ホントに思いつきで行動するやつである。おかげで昨日は『カンフーハッスル』を見損ねてしまったのだ。まあ過ぎたことに文句を付けても仕方がないので、付き合ってダイヤモンドシティに出かけることにする。時間はもう7時。
 しげが靴を買ってる間に、私は本屋回り。
 小1時間ほどで合流できるかと思っていたら、1時間経っても2時間経ってもしげからの連絡がない。こちらから電話をしても無反応。ようやく会えた時は9時を回っていた。
「靴一つ選ぶのに何してたんだよ?」
「『チャイハネ』でアクセサリーも買ってたんだよ。オレが買い物したらこれくらい時間がかかるって言ってたろ?」
 言ってたことは言ってたが、こうなるとやっぱりしげの買い物には付き合いきれないのである。


 なんだかんだと貶しながらも結局殆どの劇場版を見てしまっている『ONE PIECE』だけれども、3月5日公開の新作『ONE PIECE(ワンピース) オマツリ男爵と秘密の島』の主題歌を氣志團が歌うことになったとか。
 でもその主題歌のタイトルが『夢見る頃を過ぎても』だと聞いて「おいおい」と思った人も多いと思う。いや、“こういう例”はもう日本の音楽シーンでは腐るほど前例があることなので、今更指摘したところで何がどう変わるわけでもないのだが、“既成曲のタイトルを堂々とパクって平然としてる神経”に少しは腹を立ててもいいんじゃないか。
 説明するのも野暮だけれども、『夢見る頃を過ぎても』というのは、オスカー・ハマースタイン二世作詞、シグムント・ロンバーグ作曲のジャズの名曲で、原タイトルは“When I Grow Too Old To Dream”。いろんな人がカバーしているが、確かうちにもナット・キング・コールのがあったように思う。映画『わが心に君深く』でも歌われているそうだが、こちらは未見。

 We have been gay, going our way
 Life has been beautiful, we have been young
 After you've gone, life will go on
 Like an old song we have sung

 When I grow too old to dream
 I'll have you to remember
 When I grow too old to dream
 Your love will live in my heart

 So, kiss me my sweet
 And so let us part
 And when I grow too old to dream
 That kiss will live in my heart

 And when I grow too old to dream
 Your love will live in my heart

 だいたいの歌詞の内容は、「僕たちはずっと一緒だった。けれど君が行ってしまった後も人生は続いて行く。僕が夢を見るには年を取り過ぎてしまっても、きっと君のことは忘れない。どんなに年を取ろうと、君の愛は僕の心に生き続ける。だから、キスをして。そのキスが僕の心に生き続けていくだろうから」という感じ。
 氣志團がオリジナル曲にオマージュを捧げているとは思いにくいし(つか、原曲があることを知ってるかどうかすら疑問)、どんな曲かまだ未聴だけれども、多分オリジナルとは似ても似つかないものになってるのではなかろうか。オリジナルは歌詞からも分かる通り、トシヨリの歌だし。
 つまり今回の曲は、「どこかで聞いたことある言葉でイイ感じだから使っちゃえ」ってな感じで、単にタイトルをパクっただけなんじゃないか、という気がしてならないのである。表現ジャンルの違うところでタイトルを流用するのはまだしもオマージュとして認められなくもないのだが(我々の世代はどうしても吉田秋生のマンガを思い出してしまう)、同じ音楽ジャンルでタイトルを使われてしまうのは、時と場合によっては混乱を生じる場合もあるので、迷惑ですらある。
 「『夢見る頃を過ぎても』、いい曲だよねえ」「ああ、氣志團の?」なんて言われちゃうとガックリくるのである。

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01月08日(土)
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