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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■東京の夜は更けて(2)/小鹿番さんの死去と、またまたテンパる妻。
私は昼間、いささか食べすぎているので晩は抜くことにする。グータロウくんが「大変だなあ」と気を使ってくれるのだが、もともと食欲はたいしてある方ではない。会席の類で目の前にモノがあって、それになかなか手がつけられていないと、もったいなくて気分が落ち着かなくなり、つい「俺が食べてやるしかないか」と食べてしまうのである。誰もお前にそんなこと頼んでない、と突っ込まれそうだが、「もったいないおばけ」に取り憑かれているオジサンはこういうものなので、普段はあまり宴会に誘ったりしないようにお願いします。「(^^; )
今日の芝居のことなどお喋りしているうちに、またしげと口論になる。
しげが「街中で大声を出したり、人の通行の邪魔をするな」と私を非難したのがきっかけだったのだが、「大声を出した」というのは、トルコ料理屋からカラオケに移動する途中で、しげが「陽射しが強いのでサングラスを買いたい」と言い出して、我々をあちこち引っ張りまわそうとしたので怒ったのである。普段ならともかく、今回は鍋屋さんが松葉杖なのだ。自分が今どういう状況に置かれているのかなんで気がつかないのか。「人の通行を邪魔した」というのは、芝居の帰りにグータロウ君と連絡を取った時、携帯の電波状況が悪いので、ウロウロしたことを言っているのである。人のいないところに行こうとしても、東京はどこだって人は多い。誰かの通行は結果的に邪魔することになってしまうので、こんなのはまさに難癖である。
つまりはまたまたしげは「いっぱいいっぱい」になっていて、非常識な言動を繰り返しているのだ。全く、人んちに来てまで口喧嘩なんてしたくないんだが、話の流れでそうなっちゃったのでどうにもならないのである。グータロウくんも一緒にいろいろとなだめてくれはするのだが、結局、しげの気が落ち着くまでかなり時間がかかってしまった。こんなにしてもらっても、明日になったらしげは今日反省したことをケロッと忘れて同じことを繰り返してしまうのだ。しげみたいに何でも忘れられて、罪悪感に一切とらわれずにすむ人生が送れたら、どんなに気がラクなことだろうか。
05月01日(土)
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