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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■神ならぬ身なれば/映画『不連続殺人事件』/DVD『レトロスペクティヴ シティボーイズライブ! 1992−1994』
キャストだけはこの映画、通好みだと言える。ATGのことだから実際は「そのときスケジュールが空いていた」人を寄せ集めただけに過ぎないのだが。以下にそれをちょっと示して見る。
歌川一馬(嵯川哲朗)詩人。8番目の被害者。
歌川あやか(夏 純子)一馬の現在の妻。土居光一の元妻。
歌川珠緒(水原明泉)一馬の妹。放蕩娘。2番目の被害者。
歌川加代子(福原ひとみ)一馬の腹違いの妹。肺病病み。5番目の被害者。
歌川多門(金田龍之介)元政治家。一馬の父。6番目の被害者。
下枝(泉じゅん)歌川家の小間使い。多門の現在の妾。
矢代寸兵(田村高廣)作家。
矢代京子(桜井浩子)八代寸兵の妻。歌川多門の元妾。
土居光一(内田裕也)画家。
望月王仁(内田良平)流行作家。1番目の被害者。
巨勢博士(小坂一也)探偵小僧。
南雲一松(殿山泰司)疎開中の老人。
南雲由良(初井言栄)一松の妻。多門の妹。
南雲千草(伊佐山ひろ子)一松と由良の末娘。3番目の被害者。
三宅木兵衛(石浜 朗)フランス文学者。
宇津木秋子(楠 侑子)女流作家。三宅木兵衛の妻。歌川一馬の元妻。7番目の被害者。
神山東洋(神田 隆)弁護士。多門の元秘書。
神山木曽乃(絵沢萠子)神山東洋の妻。元新橋の芸者で多門の元妾。
人見小六(江角英明)劇作家。
明石胡蝶(根岸とし江)女優。人見小六の妻。
丹後弓彦(木村 元)翻訳家。
内海 明(内海賢二)詩人。傴瘻男。4番目の被害者。
海老塚晃二(松橋 登)歌川家主治医。
諸井琴路(宮下順子)看護婦。
坪田平吉(粟津 潔)小料理屋の主人。宇田川家の元料理人。
坪田テルヨ(岡本 麗)その内儀。
八重(梓ようこ)歌川家の女中。
奥田利根五郎(谷本 一)復員軍人の製図工。論語読みの狂人。
片倉清次郎(浜村 純)歌川家の元番頭。
南川友一郎巡査(長 弘)駐在。
平野雄高警部(桑山正一)捜査部長。
荒広介部長刑事(武藤章生)
長畑千冬刑事(清川正廣)
喜作(西沢武夫)歌川家の下男。
原作にはあと飯塚文子、別名アタピン女史という女刑事も登場するが、これはカット。しかしそれ以外は殆ど原作をカットしていない。よくぞ140分の枠に収めたものである。
特撮ファンには『ウルトラQ』『ウルトラマン』の桜井浩子の出演が嬉しいところだろう。『Dr.スランプ』則巻千兵衛役などの声優、内海賢二が顔出しで出演しているのも珍しい。江角英明は『ルパン三世』のパイカルや『こち亀』の邨田署長の声優だが、もともと日活のバイプレーヤーとして活躍していた人だ。
内田裕也はこれ以前にチョイ役で『エレキの若大将』などに出演してはいたが、本格的な映画出演は初めて。あくまでロックシンガーであるという意識を持っていたのか、時代設定が戦後なのに、その当時のアフロな髪形のままで出演。これにはムチャクチャ違和感があったが、芝居もドシロウト以下であった。後年、『戦場のメリークリスマス』『コミック雑誌なんかいらない』ほかで狂気的な演技を披露することになろうとは当時は全く予測していなかった。
探偵役の故・小坂一也はアプレゲールの軽妙さが今一つ出ていない。時代を原作通り昭和22年に設定してくれたのはいいのだが、戦後の「雰囲気」まではなかなか再現できなかった。
それにしても故人の多いことよ。しかも好きな役者さんばかりだ(T.T)。考えてみれば映画公開時からもう26年が経っているのだ。内田良平、殿山泰司、初井言栄、神田隆、浜村純、桑山正一各氏、みな今は鬼籍の人。悲しい。
詳細は省いているが、原作第1章に「俗悪千万な人間関係」とある通り、一馬と加代子は兄妹でありながら道ならぬ恋に落ちていたり、珠緒は誰彼なしに男から男へと渡り歩いていたりしている。魑魅魍魎跳梁跋扈と言うか、小説を読んでも映画を見ても、胡散臭い登場人物が多過ぎて、誰が誰やら区別がつかないのである(^_^;)。これでは確かに誰が犯人であるか見当がつかないのも当然だ。私は映画より先に原作小説を読んでいたが、私が想定した犯人も全くのハズレであった。
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07月23日(水)
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