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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■健康じゃないけどとりあえずは……/『名探偵コナン 特別編』19巻(青山剛昌・山岸栄一)
 最近は、特別編のほうがお話自体は青山さん自身が描いてるものより出来がよくなってきてるような。画力を比較するとアシスタントさんたちが描いてるのはまだまだなんだけどね。
 もちろんご都合主義はどの話にもつきものだし、トリックに無理があるものも多いんだけれど、「てんとう虫コミックス」だからと言って、手抜きはしないように、という配慮が働いてきているのではないか。昔ほどチャチなトリックが少なくなってきているのである。
 本編でも数少ない倒叙推理もの、「名探偵VS完全犯罪」などはもう少しページをあげて、じっくり描いてほしいくらい緊迫感がある。青山さんもウカウカしてると、アシストさんたちに足元救われちゃうぞ。
 それにしても『コナン絶体絶命』で強盗犯に撃たれた阿笠博士、なんで助かったんだ? 



 朝方、しげに眼科まで送ってもらう。
 精密検査は点眼して瞳孔を開き(ルパンがデジレに変装するときに使った手だな。今もアトロピンを使ってるのかどうかは知らないけど)、医師が光を当てて中を覗き込むという、考えてみれば随分アナログな検査である。
 糖尿でない人はこの瞳孔が20分ほどで簡単に開くのだが、糖尿病者の場合、これがなかなか時間がかかるのである。私も1度の点眼では効かず、2度点眼して結局は30分以上、目をつぶってじっと待っていなくてはならない。この間、悪い想像ばかりがアタマを経巡って、精神的によろしくないこと甚だしい。
 しげは鴉丸嬢と舞台の小道具類を買い物するというので、私の検査中に彼女を迎えに行く。
 待機中、目をつぶっていても左目にかけてチックが起こる。しばらくこんなことなかったのになあ。
 ようやく瞳孔が開いてくる。目の前のものが白く反射し出してまぶしい。
 土曜日ということもあるのか、小さな眼科なのだけれど、待ち合いには患者さんが4、5人。ちょっと待たされて、やっと呼び出される。それでも自分では瞳孔が開ききってないような気がする。
 何やらごっつい機械にアゴを乗せ、まぶしい光を当てられ、目を覗かれる。その間、「右見て、もっと右、上見て、真っ直ぐ見て、瞬きしないで、左見て、左下見て、まぶしいの我慢して、下見て」とうるさい注文。でも唯々諾々とするしかない。
 検査が終わって、医師が首を傾げる。「念入りに見たんですが、前回の結果にあった白斑も眼底出血も見当たりませんねえ」
 「それは異状なしってことですか?」
 「異状はありますよ。ヘモグロビンA1Cが高過ぎます。いつ出血してもおかしくありません。そうなったら糖尿はもう相当進行してます」
 「写真に映ってたってのは間違いでしょうか」
 「わかりませんね。念のため、2ヶ月後に来て下さい。2ヶ月間隔で検査していったほうがいいでしょう」
 以前は「1年に一回でいいですよ」と言われていたのが随分短縮されたものだ。ホッとした反面、油断は禁物ということなのだろう。

 待ち合いに戻ってほどなく、しげと鴉丸嬢が迎えに来る。
 見えない目でムリヤリ雑誌を読んでいたので、「なんだ、目ぇ見えるんじゃん」と鴉丸嬢が拍子抜けしたような声。もちろんメガネをかけていてはまぶしすぎるので、裸眼で雑誌に目を当てるようにして光を遮断して読んでいたのである。
 「そうまでして本を読むか」と呆れられたが、それが常識というものだろう。だから本や映画に関しては私は非常識を通してるんだってば。
 けれど、さすがにそろそろ本格的に世界がまぶしくて目を開けるのが辛くなってきたので、しげの肩に手を置いて薄目を開けて、車まで案内してもらう。
 しげ、「ヘンなのが肩に手を置いてるみたいで気持ちが悪い」と本当にイヤそうな声を出す。ヘンなのって何なんだよ。

 昼飯の弁当をコンビニで買ってもらって、私は帰宅、しげたちは買い物に出発。
 飯はお握りとハンバーグ。やっぱり薄目を開けて食べる。そのあとは、どうせ目を開けてはいられないので、そのまま昼寝することにする。


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06月14日(土)
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