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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■路傍の石のように生きたい/『ああ探偵事務所』3巻(関崎俊三)/『爺さんと僕の事件帖』4巻(しかくの)
その傷を得て、少年は、また一つオトナになるのだ。
「清か水求む」。学校のプールの水がいつの間にか抜かれ、プール開きが危ぶまれる事態に。このトリック、実行が可能っぽいから、これ読んだ子供たちは同じような動機でイタズラしちゃダメだよ(私も高校時代、このトリック考えたことがあったなあ。もちろん実験はしなかったが)。
関係ないけど、逸実たちの担任の「玄田哲明」って、やっぱり声優さんがモデルなのかなあ。
「閉鎖書架の神様」。
古本好きには嬉しくてたまらない一編。捨てられる寸前だった図書館の本。その中に隠されていた一枚の紙片。
「神の手蹟を無の本に隠す」。
実のところ、この「暗号」、古本に関する知識がないと全く解けない。
もしも、「作者と読者の知恵比べ」としてこの作品を捉えると、古本の知識のない読者は圧倒的に不利になる。しかし、ミステリの楽しみ方は、単に「知恵比べ」にのみあるのではない。子供たちが「知識」を一つ一つ手に入れて真相に近づいていく過程自体に、読者をして「知的興奮」にいざなう力が含まれている。そういう形式のミステリだってあるのだ。
「『コナン』素敵!」なんて喚いてる腐女子、これ読んでもまだコナンがカッコいいなんて言えるか。
余談。
小学五年生にして、逸実の愛読書は『死舘殺人事件』に『ドグラ・マグラ』。なんていい趣味なんだろうねえ(^o^)。
小学生でそんなコムズカシイの読むのか、とか文句つけるヤツはモノを知らない。そういう発想自体が小学生をバカにしているじゃないの。もちろん「趣味の違いで」読まない小学生だってたくさんいるだろうけれど、読む小学生だっているんだよ。私がそうだったんだし(中学に上がったとき、校長先生が夢野久作の息子さんだったんで狂喜したんだから)。
読んだ当時はよく意味が取れなくたって、本ってのは人の心の中で熟成していくものだ。小学生のころから活字に慣れさせとけば、「オトナの」活字離れなんてことは起こりゃしないのよ。
06月03日(火)
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