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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■鬱が続くよどこまでも/DVD『パワーパフ・ガールズ ムービー』/DVD『押井守 シネマ・トリロジー/紅い眼鏡』
犬と猫はいったい何の寓意か。警視庁特捜班と立ち食いのプロとどういう関係があるのだ。眼鏡は、少女はなぜ赤いのか。「紅い眼鏡」が宮崎駿の寓意なら、押井守自身はどこにいるのか。いや、それは冗談だとしても、主人公が最後まで「なぜそこにいて何をしようとしているのか」が全く提示されないまま、それでもムリヤリドラマが成立させられてしまっている強引さはいったいなんなのだ。
要するに、やってることはデタラメなんだけれど、それでも「フィルム」に撮っちまえば映画として完成してしまうという単純な事実、それこそ「映画の神髄」であるのだということを突きつけられたのである。シロウトっぽいのに作り手が確信犯であるためにそこに確実に「映画」を作りあげるための計算は存在している。つまらないはずなのに面白いのはそのせいなのだ。
いや、押井守と伊藤和典のコメンタリー聞くとさ、ともかく予算がなくて、苦し紛れの行き当たりばったりで撮ってるってんだもん、このフィルム。これから映画を作ろうって人間にとってこそ、『紅い眼鏡』は刺激的なのではなかろうか。
コメンタリーでの裏話を一つ一つここで紹介していくのもオモシロイのだが、とても書き切れるものではないので、やっぱりDVDボックスを買ってください。『紅い眼鏡』について語り合える人なんて、私の周りにはしげとよしひと嬢くらいしかいないんですよ。
一つだけエピソードを紹介しておくと、月見の銀二役で出演していた天本英世さん、朝の7時に現場に入ったのに、撮影が始まったのは午後3時(ロケ地の掃除に5、6時間かかったのである)。天本さんはすご〜く機嫌が悪くなったそうな。
後年、押井さんと伊藤さんが駅のホームで偶然天本さんに遭ったとき、二人は慌てて逃げ出したとか。
「大丈夫大丈夫。向こうはこっちのことなんて覚えてないよ」
全く、失礼な二人だ(^_^;)。
02月25日(火)
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