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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■敬三の乗る船/映画『シミキンの無敵競輪王』/『ワンピース』27巻(尾田栄一郎)
しげは既にこれを「プレゼント」だとは思っていない。「真剣勝負」である。其ノ他くんがハッと気がついたときには遅過ぎた。しげの作るチョコは毎年「エスカレート」していく。そしてもう、後には引けないところまで追いつめられてしまっているのだ。ここで「もう結構ですから……」なんてことを言い出そうものなら、しげはショックでいつまでもいつまでも泣き続け、そのあと心に誓うだろう。
「コ・ノ・ウ・ラ・ミ・ハ・ラ・サ・デ・オ・ク・ベ・キ・カ」
そして其ノ他くんのウチの前に、毎年2月14日になると、中にたっぷりチョコを埋め込んだ呪いの藁チョコ人形が置かれ続けることになるのだ。
昼前にやってきた鴉丸嬢、私の暗い表情とは裏腹に、嬉々として、チョコをいかに壊さずに作るかのレクチャーをしげにしている。自分の彼氏が苦しめられるハメになるというのに、何を喜んでいるのか。
「いいじゃん、面白いから」
とけらけら笑っているが、この子もしげが「本気」だということがまるでわかっていないのだ。
チョコ造りの合間に、鴉丸嬢、本棚を何気なく見て、『蟹工船』のビデオを見つける。
「何? この『カニエぶね』って。蟹江敬三が乗ってるの?」
そう言って大笑い。
バカだバカだと思っていたけどこんなにバカだとはなあ。思わず「オレ、40年生きてきて、『蟹工船』を『かにえぶね』って読んだやつ、初めて見たよ」とイヤミを言う。
悪い子じゃないんだが、自分の無知を全く恥じないところが鴉丸嬢の人間としての成長を妨げてる気がしてならない。知識がないことは恥でもなんでもないが、無知を咎められて何も反省しないのは無知よりもずっと罪悪である。
鴉丸嬢、中島らものファンだったらしく、らもさんの逮捕を嘆いている。その気持ちは分るんだが、「大麻くらい、いいじゃない」と不穏なことまで口走るのはどうもねえ(^_^;)。そのうちどこかで舌禍事件を起こすんじゃないかと、それも心配である。もっとも、私もつい口が滑っちゃうことってやたらと多いんで、あまり人のことは言えないんだけど。
しげ、鴉丸嬢を送って行ったので、晩飯は博多駅まで出張ってラーメンを食う。そう、博多で一番不味い餃子を食わせるアノ店である。
なんでそんな無謀なマネを、と言われそうだが、そんなのただの気まぐれであって理由なんてない。強いて言えば、急に思いっきり安い食いもんが食いたくなったってだけのことである。もっともそれはラーメンだけのつもりで、餃子まで食う気はなかったのだが、これも天のイタズラか、ラーメンだけ頼んだつもりが、セットで餃子も付いてきた……(゚゚)。
相変わらず皮はベトベト、中の具は生煮えと、食えたシロモノではない。けど食い残すわけにはいかないので、吐き気を抑えて食う。そこまでして食わんでもいいように思うが、ともかく私は食いものを残すことくらい嫌いなことはないので、仕方がないのだ。で、食えばともかく食えるものである。
しかし、定連でこの餃子食ってるやつもいるのかなあ。いったいどういう味覚してるのか、一度聞いてみたいんだが、ムリな話だしなあ。
誰か福岡在住者で、「そんなに不味いならいっちょ俺が食ったろか」ってバ……いや、アドベンチャラーはおられないだろうか。率直な観想をいただきたいものである。
マンガ、尾田栄一郎『ONE PIECE ワンピース』巻二十七(集英社/ジャンプコミックス・410円)。
スカイピア編に入ってから、以前にも増して、ずぇ〜ん、ずぇん、面白くなくなってるって感じてるの、私だけですか。
キャラクターもドラマ展開も前に出て来たパターンの二番煎じ、三番煎じだし、何よりルフィたちがここに何のためにいるのかがハッキリしないままお話が進んでいる。読んでるこちらは何か事件が起こっても、「ふ〜ん、それで?」ってな気分なのである。
ラストでメンバーがバラけちゃうのも、「もうやめてくれ」って言いたくなるくらい、ジャンプマンガで繰り返されてきたことだ。こんな陳腐なドラマになっちゃっても修正する気配すらないのは、尾田さん、もう余裕なくなってるんじゃないか。
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02月08日(土)
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