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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■海馬って記憶中枢のことだよ/DVD『ガリバーの宇宙旅行』/『わんわん忠臣蔵』/『あずまんが大王』三年生(完結)ほか
主役の演技より、ワキの人々の渋い演技を堪能したほうがいい感じである。
予告編を見ると、これだけの声優のクレジットが全くなく、声もアテられていない。どうやらキャストのスケジュール調整に時間がかかったものと見える。いい宣伝になったろうに、もったいない話だ(坂本九は子どもにも人気があった)。
DVD『わんわん忠臣蔵』。
昭和38年制作、『ガリバー』の前作で、東映長編動画第七弾。
本公開は私が0歳のときなので、さすがに劇場に間に合ってはいない。
最初に見たのはテレビ放映のときで、昭和47年、系列はNET(現テレビ朝日)、福岡では九州朝日放送(1チャンネル)での正月放映である。
……なんでそんなに細かく覚えてるかっていうと、前年までやってた三船敏郎主演の『大忠臣蔵』の最終回で、『わんわん忠臣蔵』の予告が流れたからなんだね。しかしNETのスタッフ、『大忠臣蔵』のファンが『わんわん』も見ると考えたんだろうか(^_^;)。
クレジットにはないが、東映動画に入社したばかりの宮崎駿が、動画マンとして初参加。つまりこれが「宮崎駿デビュー作」である。
オープニングで犬たちが横一線に並んで行進するのを見てニヤリとする人は多かろう。後に『どうぶつ宝島』、『アルプスの少女ハイジ』のエンディング、『となりのトトロ』でも見られたイメージだからである。
この映画の原案構成は手塚治虫。構成とは絵コンテのことだから、このオープニングのアイデアも手塚治虫の手によるものかもしれない。「しれない」、と微妙な書き方をしたのは、前々作『西遊記』で、手塚さんのコンテは、現場スタッフに「使いモノになるか」と、散々「直し」を食らっているからである。
けれど、手塚さんは『マリンエクスプレス』などでも「キャラクターの行進」を使っているから、やはりこれは手塚さんのアイデアそのままか。となると、手塚さんの没後、「手塚治虫がアニメでやってきたことは全て間違いです」と痛烈な批判をした宮崎駿も、やはり「アトムの子ら」……手塚治虫チルドレン的要素はあった、ということになるか。
なんにせよ、本作が唯一無二の「手塚治虫と宮崎駿の同一スタッフ作」である。あまり意味はないが。映画公開時には手塚治虫は既に東映動画を離れて「虫プロ」を設立し、『鉄腕アトム』をテレビに送り出していた。
冒頭、キツネの赤耳が小鹿のロンを追いかけるシーン。ワンカットだけだがここでなんと水彩画をそのままアニメーションにするという(しかも奥への動き!)モノスゴイことをやっている。当時の東映動画スタッフの気概が伺われるシーンだ。
『忠臣蔵』とタイトルにあるが、筋立てはシンプルなもの。
森の動物たちを食い殺しまくっている寅のキラー(^o^)に、母親を殺された少年犬ロック(「大石」ですな)が、野良犬四十七匹とともに敵討ちをする、という話。ロックの恋人のスピッツがカルー(「お軽」だね)というほかはあまり忠臣蔵キャラクターとの類似性はない。
まあ、客観的に見て傑作とまでは言えないが、私は悪巧みをするキツネの赤耳のキャラが大好きなので、これから本作を見ようって人には、声をアテてる加茂喜久氏の憎々しい名演を堪能してもらいたいものである。……この人、モノクロ版『パーマン』で初代パーやんの声もアテてる人なんだけど、恐竜のイラストレーターで有名な「かもよしひさ」氏とは別人だよねえ?
あ、もちろん、キラーの声アテをしている西村“水戸黄門&マモー”晃氏にも注目。実写とアニメの両方で吉良上野介を演じたのは西村さんだけであろう(^o^)。
DVD『あずまんが大王』三年生(完結)。
ちよちゃんたちも卒業である。ボックスに3巻まとめて入れると、各ケースの背に描かれたちよちゃんが、冬服、夏服、卒業の和服(あの昔の女学生がよく来てた長いスカートの和洋折衷服、なんて名前なんだ?)とオトナになって(?)いくのがわかる仕掛け。ちょっとしたことだけど、これだけで書架に並べておくと楽しく感じる。
更にケースの裏表紙は残る五人の体操服・文化祭の衣装・修学旅行の私服のお色直し(^^)。
テレビシリーズとしてはよくまとまってるし、好きな演出も多かった。
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01月25日(土)
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