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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■めかなんて、こどもだからわかんないや/『眠狂四郎』6巻(柴田錬三郎・柳川喜弘)/『ああ探偵事務所』2巻(関崎俊三)
 もう6巻にもなるのに、絵が全然上達してないように見えるのも(なんたって男も女もみんな表情同じだもんなあ)、原作を読みこめてないから、キャラクターが一律化しちゃってるんである。眠狂四郎を桃太郎侍みたいに描くんじゃねえや。


 マンガ、関崎俊三『ああ探偵事務所』2巻(白泉社/ジェッツコミックス・530円)。
 探偵もの、とは言っても本格ミステリでもハードボイルドでもなくて、市井の「探偵事務所もの」なんだけど、ほどよいギャグが楽しい(けれどマイナー)なシリーズの第2弾。いかにも売れてそうにないんだけれど、ドラマとしては意外に骨格がしっかりしてるから、もっと人に知られてほしいんだよなあ。
 主役は事務所所長で推理とコスプレと少女マンガが好きな妻木氏なのだけれど、表紙絵は助手の井上涼子嬢のちょっとえっちなポーズ。商売としてはけだし、正解であろう(^o^)。
 収録されてる7話のうち、失踪中の少女マンガ家を探し出す「Case10/11」と、盗聴ノイローゼの女性の依頼を受ける「Case12〜14」が特に面白い。
 1巻でアニメ業界を描いた時にも、「アニメ関係者の顔ってヘン」と、一部に反感抱かれやしないかとヒヤヒヤもののネタを出してきてたけど、今巻の「少女マンガ編」でも、人気少女マンガ家・鈴木杏子(どこから取った名前かな〜)のアシスタントの顔がみんなとてつもなくイタイんである。いやもう、どいつもこいつも○○、○○、○○○のオンパレード。で、実際にこういう顔の人間っていそうだから怖い(^_^;)。
 少女マンガ家に対するヒドイ偏見として、ずっと昔、「少女マンガ家はみんな○○な自分から現実逃避するためにマンガ描いてる」というのがあったが、あえてその偏見を助長させたがってるような描きかたなんである。
 作者の関崎さん、女性だけをムチャクチャ描いちゃ悪いと考えたのか、編集部の男どももみんな人間の基準からちょっと外れてる面相のやつばかり描いてるんだけれど、世間の人々の心が海よりも広く深いことを祈るばかりである。
 それはそれとして、この「全国のどこに失踪したかわからないマンガ家」をわずか二日で探し出すテクニック、結構リアルなんじゃないか。「よそ者がいても目立たない程度に人口のある都市」を探せってのは納得できるし、昔はいざ知らず、乳母日傘でないと生活できない現代の少女マンガ家に野宿はムリであろう(←これも偏見)。
 で、盗聴ノイローゼのご令嬢、遥ちゃんであるが、自分を覗いてる犯人はN■Kだそうである。なんとなればN■Kの集金のおじさんがニヤニヤしてたかららしい(^_^;)。そのあと遥ちゃんは考えを改めて、犯人はN■Kではないと気づくのだが、では誰が犯人かというと、CIAだったそうで。
 ……私、遥ちゃんと全く同じ主張してた人を、以前実際に知ってたんですけど、なんですか、盗聴ノイローゼの人って、つまるところ自分の存在を「盗聴・監視されるくらいの重要人物」だと認識してほしいんですかね。マンガの中ではなんだかんだあって、遥ちゃんのノイローゼは最終的に治るんだけれど、現実のノイローゼの方の場合はなかなか治らないもののようであります。
 だいたいCIAに監視されるような重要人物が、そうそうそのへんに転がってるわけないじゃないですか。そんなのはドイツ統一にもソ連邦崩壊にもウラで関わった私くらいのものです。


 夕方くらいから咳が激しくなる。ヤバいなあ。

01月04日(土)
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