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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■消えていく街/DVD『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』/『TRICK2』(蒔田光治・太田愛・福田拓郎)ほか
 池田憲章を司会に、監督の押井守、演出の西村純二、声優の千葉繁が「昔のことなんで忘れた」と言いつつ、裏話をどんどこ披露。おかげで長年疑問であった「迷宮の街の中でしのぶを見つめる謎の人物」の正体もやっと分った。あれはただのマクガフィンだったのである。全く、フェリーニだのゴダールだのにかぶれるとすぐああいう映像を作りたくなるんだよなあ。映画に免疫のないアニメファンは混乱したことだろう。
 当時、押井さんも西村さんも映画版にかかりきりで、テレビシリーズは全く関知してなかったそうである。「いったいテレビは誰が作っていたのだろう?」なんて脳天気なこと押井さん言ってるけど、それは客の方が聞きたいよ。
 西村さんの「今からでもリテイク出したいんですけど」のセリフが切実だけど笑える。押井さんが「そういうのは見ないの」と言い切る姿勢もグー。過去は振り返っちゃいけない、未来だけを見つめよってことなのだな(^o^)。
 それならば押井さんの次回作、『イノセント 攻殻機動隊2』にどうしても目は向いてしまうが、やっぱり押井守の「記号」は出て来てしまうらしい。「好きだよなあ、何度でも出すよなあ」と述懐されてるが、本人も確信犯でやってるんだね。「コンビニ」また出すって言ってるけど、『攻殻』の世界にコンビニ。合うんだか合わないんだか。もっとも牛丼屋出されるよりはいいんだろうけれど。


 蒔田光治・太田愛・福田拓郎(堤幸彦監修)『TRICK2 トリック2』(角川文庫・630円)。
 テレビ第2シリーズのノベライゼーションだけれど、作者として名前のあがっているシナリオライターたちは小説版には関与していない。実際に執筆してるのは木俣冬、という人である。この人の文章がまあヘタなことヘタなこと。なんでノベライズするのにもちっとマシな人探せなかったのかな。第1シリーズのノベライズ版のほうもあまりうまい文章ではなかったが、今回は輪をかけてひどい。ギャグがほとんど滑りまくっているのである(テレビのギャグからして滑っちゃいたのだが)。
 例えば『六つ墓村』のエピソードであき竹城演ずる老婆が歌いながらやってくるシーン、山田奈緒子が「ダイラクダカンノ、ヒト?」と突っ込むのだが、その風貌の具体的な描写がないもんだから、小説だけ読んでるとこのギャグの意味が全然ピンと来ないのだ。しかもカタカナで表記してるもんだから、ますます意味が捕らえにくい。
 やっぱりドラマはドラマ版を鑑賞するのが一番ですね。

12月29日(日)
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