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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■オタクの明るい未来/『リンダリンダ ラバーソール』(大槻ケンヂ)
浮気がバレて別れたかつての彼女、コマコとの再会でこの物語は終わる。
多分、この最終章は大槻さんのフィクションではないかと思うが、コマコは別れた日に大槻さんとした約束を果たしてもらうために、再び大槻さんに会って言葉を伝えるのだ。
「ラバーソールを買って」
もう今は誰もそんな厚底靴を履く人はいないだろう。昔のファッションがとてつもなく恥ずかしいのはそれがバカの証明だからだが、コマコは大槻さんに「神様がオーケンにバカやっていいって言ってくれてんだよ」と語る。
バカの思い出を抱いてコマコは去っていく。けれど、背中を向け、去って行くコマコの姿を大槻さんは描写しない。大槻さんと二度と会うことはないだろうその後ろ姿を、私は勝手に想像する。
そのとき、コマコは自分の靴をラバーソールに履きかえただろうか。
読み終わった私がちょっと気になったのはそのことだった。
12月19日(木)
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