ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491718hit]
■アニソンしか歌えないわけじゃないけど/DVD『千と千尋の神隠し』/『吼えろペン』5巻(島本和彦)ほか
『もののけ姫』のDVDは英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、広東語、ポルトガル語と多彩だったが、『千と千尋』はフランス語のみ。
ディズニーと提携している以上、英語版だって作られてるはずなのに、どうして収録しなかったのかなあ、発売までに間に合わなかったってことはないと思うんだけれど(“Spirited away”=「連れ去られ」のタイトルで公開されてるはずである)。
『もののけ』のときは、外国語はどうにも純日本な作品世界と合ってないような気がしていたのだけれど、『千と千尋』とフランス語はそれほど違和感がない。 けれど、『もののけ』のときもそうだったのだが、外国語版のキャストが全く字幕に出ないので誰が声をアテているのか皆目分らないのはなんとかしてもらえないものか。外国人キャストに対してもあまりに失礼である。
それはそれとして、静謐なイメージの日本語版千尋=柊瑠美と、やや甘えん坊的な声のフランス語版千尋=「誰や」との比較をしながら見るのはなかなか面白い。柊さんは恐怖を感じながらも自分の心を見失わないでいる感じだけれど、フランス娘は(こんな書き方しなきゃならないからキャストちゃんと書いとけってんだ)ひたすら怖がって回りになんとかしてもらいたいって感じだ。あくまで感じだけど。こういう役の捉え方の違いに、「異界」に対する日本とフランスのイメージの違いが現れてると考えるのは考え過ぎかな。
フランス語タイトルは“Le Voyage de Chihiro”=「千尋の旅」。
ご承知の方も多いと思うが、フランス語では“h”を発音しない。従って「チヒロ」は「チィロ」と発音されてるんだけれど、なんかペットみたいでおかしいような可愛らしいような。「ハク」は当然「アク」になりますな。どっちかというと「ク」にアクセントがあって「アクー」って感じ。本名は「ニギハヤミコハクヌシ」じゃなくてなぜか「アクアク」になってた。なんだかポリネシアかどこかの神様みたいね。
ほとんどのキャラが日本語の名前通りだけれど、「カオナシ」だけはフランス語に翻訳してあって“Sans Visage”、英語なら“No Face”。まんまですな。フランス語版でもカオナシは原音のまま喋ってるんだけれど、この声優誰だ。テロップに表記がないからわかんないんだけど、ハク役の入野自由の二役か?
ああ、あと予約特典の「ハクのおにぎりフィギュア」は不恰好でした(-_-;)。
宮崎監督が実際にオニギリ握ってる写真がついてるんだけど、これをありがたがるやつ、いるのかね。糸井重里(こいつがこのオマケの発案者だよ)がまた「オニギリは、働くこと、食べられることの価値のシンボルです。それはひいては『生きること』の価値をたたえることにもつながっています」とかいい加減なこと書いてやがるけれど、「オニギリという食べ物は世界で一番いやらしい」といくたまきは言ってるぞ(by『パイが好き』)(^o^)。
マンガ、島本和彦『COMIC BOMBER 吼えろペン』5巻(小学館/サンデーGXコミックス・560円)。
おお、16年ぶりに日の目を見た『燃えるV』最終回!
……もう誰も知らんな、『燃えるV』。
『炎の転校生』に続いて島本和彦が昭和61年に『少年サンデー』で連載してた“作者自称”テニスマンガなんですけどねえ、いやもう、これが『ほのてん』のノリのまんまで描かれてたものだから、もう全然マトモなテニスマンガじゃなかったのよ。『エースをねらえ!』のファンが読んだら激怒するんじゃないかってくらいのもので(『エース』がマトモなテニスマンガか、という意見については、まあそれはその、アレですから)。
何しろ主人公の狭間武偉、初登場時は全くテニスを知らないただのケンカ野郎。それがなんかイキオイでテニス界に乱入して最終回では全仏全英全米全豪の4大タイトル全てに優勝するというムリヤリ展開である。テニスマンガなのになぜか必殺技とか出てくるモノ凄さ。「垂直(バーチカル)ボンバー」はともかく、「スパイダーガッデム」(ボールをたくさん投げる)なんて、実際の試合に使えねーじゃん……と思ってたら、高速スピードで手を動かして可能にしてやんの。ムチャっつーか、既にテニスじゃない(^_^;)。
[5]続きを読む
07月21日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る