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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■乱れる話いろいろ/『ぴたテン』1・2巻(コゲどんぼ)/『桃色サバス』1巻(中津賢也)
今号の寄稿には、もう今更それを言ってもなあ、と感じる「乱れ」の例も少なくない。「生きざま」「温度差」「視野に入れる」などの誤用は、もう止められないのではないか。なぜなら、これらは「若者言葉の乱れ」ではなく、「オトナ」が政治的な都合で自ら作り出した「乱れ」であるからだ(40代以上でも、これらの言葉のどこがどうおかしいのか、説明できない人、多いのではないかな)。
ファミレスのウェイトレスさんの「よろしかったですか?」も、北海道、東北、九州を支配し、今や東京を席捲しつつあるようだ(ネットで検索したら千件以上ヒットしたぞ。やっぱり不快に感じてるオトナは多いのだ)。全く、使い始めたのはどこのどいつだ。
この根の深い「乱れ」に対して異議を唱えるのはまさしく蟷螂の斧だなあ、とは思う。けれど私ももう老い先短いカラダだし、「小言幸兵衛」になろうと決心したので(^o^)、イタチの最後っ屁よろしく、無責任に妄言を吐いて行こうと思う。
ここで再確認しておくが、私は言葉に「正しさ」を求めているのではない。
工夫のない、心を感じられない言葉に満足している連中を、大人であろうと若者であろうと「タコ」呼ばわりしたいのである。
最もタコなのは自分の使う言葉が絶対だと思いこんでいる連中だ。意志の疎通に支障を来たした場合、その原因はどちらか一方にあるのではなく、常に双方にある。それくらい常識として知っておけよなあ。
マンガ、コゲどんぼ『ぴたテン』1・2巻(メディアワークス/DENGEKI COMICS・各578円)。
アニメは未だにオープニング以外全然面白くないんで、さて、原作マンガは読んでみようかどうしようかずっと悩んでた。……悩むほどのことかとは言われそうだけれど、ともかくちょっとでも興味を引いたものには手を伸ばしてみようと思ってるのだよ。
ああ、でも原作はアニメほどひどくないね。
いかにも同人誌上がりの絵柄を嫌う人はいるだろうが、表情のバリエーションが意外にも豊富でいい。湖太郎の困ったり苦しんだり照れたりホッとしたりを微妙な線で描き分けてるよ。作者、きっと女の人だろうと思ってネットで調べてみたらやっぱりそうだった。一般的にキャッチーなのは美紗や紫亜なんだろうけれど、やはり湖太郎や御手洗大のほうがキャラとしては立っている。
『デ・ジ・キャラット』のキャラデザインもこの人だそうだけれど、概してアニメは原作の描線を生かしきれてないねえ。原作の線は、一見、均質に見えるけれど微妙な強弱があるし、コマ割りやレイアウトもアニメみたいに単調じゃない。……アニメのスタッフ、アニメ化に際して露骨に手を抜いてないか? もしかしたらこの原作を、あまり好きじゃないんじゃないのかも。
確かに、ドラマとして考えると設定も人物配置もありきたり過ぎる。今どき『二級天使』をやるかってのはアニメを最初に見たときにも思いはした。けれどこの人がマンガ家としてバケるのはもうちょっと後ではなかろうか。なんか「習作」ってイメージがすごくするのよ、これ。とりあえずは「先物買い」ってことで。
それはそれとして、この人の「コゲどんぼ」ってペンネームの由来ってなに?(@_@)
マンガ、中津賢也『桃色サバス』1巻(少年画報社文庫・620円)。
80年代の『少年サンデー』はともかく面白かった。
高橋留美子の『うる星やつら』とあだち充の『タッチ』を2枚看板に、島本和彦の『炎の転校生』、細野不二彦の『どっきりドクター』『GU−GUガンモ』、六田登の『ダッシュ勝平』、上條淳士の『ZINGY』ほか、よくもまあ、これだけオタク好みの濃いマンガを載せてて、しかも部数を伸ばしてられた(一時期『ジャンプ』を抜いていた)ものだ、と感心するラインナップが揃っていたのだ。
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07月16日(火)
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