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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ある事件の記憶/DVD『アベノ橋魔法☆商店街』vol.1/『奇妙な論理T・U』(M・ガードナー)ほか
どうも「どうせ漫画」「たかが漫画」ってとこに安住してる気がしてならないんだよなあ。
マーティン・ガードナー著・市場泰男訳『奇妙な論理T ―だまされやすさの研究―(In the name of science)』『奇妙な論理U ―空飛ぶ円盤からユリ・ゲラーまで―』(社会思想社/現代教養文庫・各630円)。
社会思想社がぶっ潰れたんで慌てて買った二冊。
いわゆる「擬似科学」の解説本で、載ってる話はたいてい『トンデモ本の世界』シリーズの中で紹介されてるものだけれど、驚くべきことはこれがアメリカじゃ1952年に出版されてるってことだね。日本でトンデモ本ブームが起こったのはせいぜいこの10年。それまではそれこそインチキがはっきりバレてる清田某なんかをマスコミはずっと持ち上げてたんだからね、無知なる大衆を騙し続けてきたその罪は相当深い。
まあ、私も70年代のユリ・ゲラーブームのときには一所懸命スプーン擦ったけどよ、当然一本も曲がらん(^_^;)。そう言えば大学時代に「俺はスプーンを曲げた!」と主張していた長野のNくん、お元気ですか(見てないって)。
ユリ・ゲラーを完全にインチキって思ったのは、ルーム・ランナーのCMに出たときだったね。だって、全然ルームランナー買う気にならなかったから。
この世に超能力が全くないとは言わんが(火事場のバカ力とかはありそうだしな)、少なくとも、たかがスプーン曲げてるだけで「超能力だ」と主張しているうちは、信頼しちゃいかんよ。あの人たちも「この力を平和のために使いたい」とか偽善的なハッタリをかまさなかったら笑って見てやっていいんだけどね。だからスプーン曲げと人類の平和との何がどう関係してるってんだよ。どうしてあの人たちはただの「超能力ショー」を披露するだけでがまん出来ないのか。やっぱり無能力者ほど、「実は自分にはスゴイ力がある」って幻想にすがりついていたいのかもね。
考えてみれば、ユリ・ゲラーなんかは詐欺師としてはかわいいものである。彼ら超能力者、霊能力者、宗教家が本物かどうか判別するのは簡単で、カネを集めたがってるかどうか見りゃいいんだからね。
けれど、科学者の場合はホントに資金が必要な場合があるから判別しにくいんだよね。少なくとも「大学では私の新理論を理解できないから、民間施設の委嘱を得て活動してる」なんて言ってるやつは大ウソつきだろうけど。
この本は別に超能力のインチキを暴露してるだけじゃなくて、例のヴェリコフスキーの『衝突する宇宙』のインチキ(彗星の接近がモーゼの紅海分断を起こしたってやつね)や、地球空洞説やらオルゴン理論(オルゴンエネルギーで病気は全部治せるとか)、ダイアネティックス(サイエントロジーですね)なんかも取り上げている。
いつの時代どの国でも、何か超自然的なものに惹かれる心理というのは分らなくもないが、問題は、そういうのの大半が詐欺だってことに気づかない人間がなかなか出てこない、あるいは少ない、といったことの方に問題があると思う。
だってなあ、やっぱりノストラダムスの予言が外れたあとでも「あれはノストラダムスが予言したから滅亡が来なかったんだ」とか「実はあれは1999年ではなかった」って言い張ってたやつ、知り合いに結構いたし。否定したらヒステリー起こすしよ。全く、何をどうしたらこんなバカが生まれてくるんだ。
人を騙す方も騙される方も、現実世界の中で自分の価値を見出せなくて、虚構の中に生きようとしてるんだろうけれど、だったら自分たちだけで生きてってほしいものである。
徳間書店『アニメージュ』8月号。
あー、『魔王ダンテ』、テレビアニメ化っすか。脚本が上原正三。今更だよねえ。それにあの原作、ドラマとしては相当破綻してんだけど、今の視聴者の眼から見たら物足りないんじゃないかね。もちろん、映像としてスゴイもの見せてくれたら面白いんだけど、テレビの小さなフレームで、それが伝わるものかどうか。やるなら劇場で一本、中身を凝縮してやってほしいんだけど。誰も見に行かんか。
まあアニメにするなとは言わないけれど、先に『デビルマン』の続き、飯田馬之介さんに作らせてほしいけどなあ。
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07月12日(金)
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