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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■何がこの悪いガイで上がっていますか/『たま先生に訊け!』(倉田真由美)/『ワンピース』24巻(尾田栄一郎)ほか
ギルステイン四人衆を出したとこまではいいですよ。でも、そいつらの作戦ってのが、自分たち人間の中にギルステインが紛れこんでるんじゃないかと疑心暗鬼にさせてだよ、踊らされた人間たちに「ギルステイン狩り」を始めさせて、ヒロインの久美がその「狩り」にあって死んでさ、その怒りで暴走した主人公の伊織が人類を破滅に追い込もうとするって……。
まんま『デビルマン』じゃん。ここまで似てると「模倣」とか「オマージュ」なんて便利な言葉じゃ誤魔化せないね。盗作だろ? これ。
マジで永井豪がこれ読んだら訴えるんじゃないか。いや、読んでる可能性はあるよな。韮沢さん、「デビルマン」をフィギュア化してるし。それとも永井さん公認のマンガなのか? だとしたら「これは『デビルマン』の現代的リメイクです」って、明言しとかないと、在らぬ疑いかけられるぞ。
マンガ、倉田真由美『たま先生に訊け!』(双葉社・900円)。
読みました。
……いや、それ以外に感想のしようがないんだよ、これ。だって読者が倉田真由美に人生相談するってだけのマンガだし。だめんずうぉ〜か〜のくらたまさんに相談する時点で読者が何も考えてない(かくらたまさんをからかってる)ってことがわかるしね。
「巨乳の女に飽きたけど」なんて相談、本気のはずがないし、ネタとしてもつまらない。そんな芸にもなってないくだらん質問、無視すりゃいいのに、くらたまさんは何をマジメに相手してマンガ化までしてやるのか(そんなバカ質問しか来ないんだろうけど)。……そうなんだよ、このマンガが「イタイ」のは、くらたまさんがこれをギャグとしてではなく、半ば本気で書いてるらしいところなんだよ。
相談者と被相談者との間で、暗黙のうちに「これはギャグだ」という協定を結んで芸にしたものと言えば真っ先に『中島らもの明るい人生相談』が思い浮かぶが、くらたまさん、最初はこのセンを狙ったんじゃないか。でもね、これって回答者がよっぽど冷静でないと、相談者の手にかかって踊らされ振り回されることになっちゃうんだよ。いかんせん、くらたまさん、とても冷静になれるタイプじゃないからねえ、完全に踊らされてるんだよねえ。……つまり、相談しているように見えて、しっかりくらたまさんの自己告白マンガになってる。でもって、未だに「だめんずうぉ〜か〜」であることを露呈させられちゃってるのである。
「だめんずうぉ〜か〜」ってね、わかりやすく言うと、だめんずから見て、「弄んだ末に捨てても全然痛痒を感じない女」なのよ。ああ、くらたまさん、こんな連載続けてたら、まただめんずに引っかかったりしないか……って、心配したってどーなるものでもないが。
そう言えば、私も、人から「恋愛相談」を受けることがたまにあるが、私の悪いクセで、相手が望むような答え方をしない。というのも、「本気で」相談を受けてしまうので、たいていは嫌われてしまうのだ。
「あの、彼が余り乱暴をふるうんで別れようかと思ってるんですけど」
「でもこうやって相談して来るってことはホントは別れたくないんだよ。どんなに乱暴されても彼がいいんだよ。ホントは心のどこかに苛められて嬉しい気持ちもあるんだよ。マゾなんだよキミ。男もそれが判ってるから苛めるんだよ。君もホンネじゃ楽しんでるんだから、そのまま殴られてなさい」
……くらたまさんなら「さっさと別れろ」と言うところだろうな。だから私に人生相談なんて持ちかけるんじゃありませんよ。
マンガ、尾田栄一郎『ONE PIECE ワンピース』24巻(集英社/ジャンプ・コミックス・410円)。
オビに「日本出版史上最高・初版252万部達成!!」の文字が燦然と。一時期のジャンプ黄金時代を彷彿とさせるねえ。毎年のように、○○○部達成って本誌の表紙に踊ってたけど、確か600万部越したあたりで頭打ちになったんだったかな。『マガジン』に抜かれたことが結構大きなニュースになってたものな。
けれど単行本でこれだけの部数が出せるってことは、往時の記録ほどではないにしても、ジャンプの第2期黄金時代は始まってると見ていいのかも。
本編のほうは新章突入で、またまた連載が長引きそうな気配。
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07月09日(火)
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