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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■役者や脳/『三谷幸喜のありふれた生活』(三谷幸喜)/DVD『DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマン』ほか
 この「映画」を見て、鼻で笑い飛ばしてしまう人間に、オタクを名乗る資格も映画ファンを名乗る資格もない、と。たとえ庵野秀明自身が「素顔で」ウルトラマンを演じるというとんでもないシチュエーションを目にしても、である。
 あれはこれがアマチュア映画であること表明するための「記号」である。ただの「予算削減」のためのものではない。プロには作れないアマ映画の底力がそこに横溢していることを、一度でも映画を作ってみたことのある人間ならばすぐに感じるだろう。

 冒頭、平和な街の空に輝く隕石の光。
 空を見上げた少女は光に包まれ、次のシーンで、マット隊長のイブキ(演ずるは『快傑のーてんき』こと後のガイナックス取締役・武田康廣)は、冷徹に隊員たちに通告する。「諸君、ヒラツネ市が壊滅した。使者は一万人以上」。
 ……あ、あ、あの女の子、いきなり死んだのかよ!
 『ガメラ2』で仙台市をふっとばすずっと以前に、軽々とアマがそれやってたのだ(まあ、『ガメラ』の樋口真嗣さん、ガイナ出身だけど)。
 ハードな展開はその後も続く。
 隕石から出現した怪獣バグジュエル(これはあくまで地球側の呼称で、ウルトラマンであるハヤカワ隊員は、「キロア」という名前で呼んでいるあたりも芸コマ)を殲滅するため、マットは生き残り住民を無視して核攻撃をあっさりと決定するわ、反対するハヤカワ隊員を強制的に拘束して「キサマそれでも地球人か!」と罵倒するわ、マットを明確に「軍隊」として描いているのもスゴい。
 当たり前だが、「侵略」が行われて、その国に「軍」が存在していれば、まず絶対に敵として排除する方向に動くわな。脳天気な科学者じゃあるまいし、むやみに殺さず捕獲しようなんて悠長なこと考えるわきゃないのである。
 また、地球人によって拘束されたにもかかわらず(監視つきの「自室謹慎」という形式を取ってるあたりがまた、人間のイヤラシサを如実に表している)、宇宙人・ハヤカワが、あくまで自分を「地球人」として怪獣と戦おうと決意する心情は、まさしくオリジナル・ウルトラマンが、ウルトラセブンが持っていた悲しみそのまではないか。沖縄県人・金城哲夫が創造した「異界の者からの視点」。これをまさかアマチュア映画がパロディにすることなく、ストレートに継承していようとは。
 ウルトラファンなら、怪獣ファンなら、SFファンならば、その制作姿勢に諸手をあげて称賛を送らずにはいられまい。そして思うだろう。自分もまたこんな映画を作ってみたいと。
 もちろん特撮も、紙製のセット、小道具を、映像センスでここまでリアルに見せることができようとはもう、感服である。何かと毀誉褒貶喧しい『エヴァ』だったが、その映像センスはやはり称賛に値するものだった。その原点がこの『帰りマン』の随所に散見される。『エヴァ』ファンならばやはり必見だろう。
 期間限定販売ってことだから、手に入れるのなら今のうちだ。7700円くらいかかるけど、製作記録CD−ROMも付いてて、買って損はないぞ。さあ、ガイナックスのホームページから今すぐ注文だ。
 ……けど、これの脚本、岡田斗司夫さんってことになってるけど、庵野さん自身が書いてる公算が大だな。主役の名前がハヤカワケン(=快傑ズバット)になってるところは岡田さんっぽいけど。


 コンビニで手に入れたバンダイの食玩、『仮面ライダーメモリアル 激闘2号ライダー編』の死神博士・イカデビルを組み立てて、パソコンの上に飾る。
 前の1号ライダー編のときは興味を惹かれなかったけれど、今度はなんたって、死神博士ですよ、天本英世さんですよ。似てるようでイマイチ似てない造型はちょっと残念だけれど、悪役ファンならやっぱり欲しくなるよな、これ。
 既に私のパソコンの上は怪獣だの妖怪だのロボットだのアリスだのアスカ・ラングレーだので大変なことになっているが、これからもっともっと欲しい食玩が出てきたらどうすればいいのだろうか。
 この手の「飾るだけ」のモノをコレクションするのが一番しげの気分を害することらしいからなあ。「そんなん集めたって役に立たないじゃん」って言われるけど、物理的なものじゃなくて、心のオアシスってやつだよ、こういうのは。

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06月24日(月)
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