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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■いろいろあって書ききれねー/『あずまんが大王』4巻(完結/あずまきよひこ)/映画『少林サッカー』
それはまあ仕方ないことだとしても、あとでコーチのファン(呉孟達)が、壁にめり込んだ缶を発見するシーンで、もう一度さっき缶を蹴った時のシーンをインサートするのはクドイだけで無駄。観客がそんな説明的なシーンがないと判らないとでも思ってるのかね。もしそうなら、香港の観客って、世界の映画を全然見てないんじゃないか。
太極拳を使って饅頭を作る少女ムイ(趙薇)とシンが出会うシーン、シンが「君の太極拳には音楽がある!」と絶賛すると、突然何の脈絡もなく異様にデカイ坊主頭の少年が立ち上がって、「ワタシもそう思う!」と主張するや否や、その場でクネクネダンスを踊り出す。
それになぜか触発された通りすがりの人々、「実は俺もダンサーになりたかったんだ!」と目の中に火を燃やし、踊り出す。ここまではいい。
シンもムイも踊りだし、路上で一大ミュージカルシーンが展開されるかと思いきや……いきなり饅頭屋の女主人が怒鳴って、「アンタたち何やってんだい!」。
途端にみんな日常に帰ってしまう。
……何それ?(・・;)
ミュージカルシーンのネタ振りだけしといて、踊りがナシって……意味ないじゃん。それに、あの坊主頭、てっきり少林チームに入るための伏線だと思ってたら、このシーンのみの出演で、あと全然出て来ないんでやんの。
なんのためのシーンだったんだ? と思っていたんだけど、あとでパンフ読んだら、このシーン、『少林サッカー』がヒットしたんであとで撮り足したボーナスシーンなんだそうな。道理で前後の流れを中断してる。
ギャグシーンをワザワザ足しといて、笑いを堰き止めてどうするかな。せめてあそこでランチキミュージカルをたっぷり見せてくれてたら、すっげーいいシーンになってたろうに。なんだか高校の映画部あたりがノリでギャグ映画作るけど、詰めが甘いって言うか、そんな感じね。
そんなこんなで、前半は相当辛かったんだけど、後半、試合のシーンになるとバカっぷりが本領発揮。ようやく画面に躍動感が生まれてくる。
“鉄頭功”一番上の兄弟子(黄一飛)。
“旋風脚”二番目の兄弟子(莫美林)。
“鎧の肌”三番目の兄弟子(田啓文)。
“魔の手”四番目の兄弟子(陳国坤)。
“軽功”六番目の弟子(林子聡)。
それぞれのキャラクターが明確なので、そのコンビネーションが楽しい。
いやもう、デブは飛ぶわ地面にめり込むわ、オヤジたちが華麗なフットワークを見せるわ、炎のボールを跳ね飛ばすわ、その見た目と技とのギャップと言うか違和感が見ていて心地よいのよ。
ドーピングで強化人間(^o^)と化した敵(こいつがまた、いかにも憎々しいヤツでいいね)の卑怯な手に、続々と倒れていく少林チーム。もはや放棄試合か、というピンチの起死回生策がなんと……!
……うまかったねえ。
それまで伏線の張り方がデタラメだったから、かえってこの手があるとは気付かなかった。もしかしたら前半、とことんタルかったのは、この結末を予測させないためにワザとやってたの?(んなワケないな)
嵐を呼ぶシュートがホントに嵐を呼んで(^o^)、試合は少林チームの優勝。敵のチームのボスを倒すのにもう一つアイデアがなかったのが惜しかったけれど。
大ブームを呼ぶことになった少林寺拳法、バナナの皮で転んでも、少林寺で宙がえり、植木を刈るのも少林寺、バスに飛び乗るのも少林寺、オチとしては予測がつく上に、これを全てCGでやってるのがバレバレだから、ちょっと白ける。けど本物の少林寺でも植木は刈れないと思うから、これは仕方がないか。どうせCGでやるならもっと派手な動きをさせてもよかったと思うけど。
前評判ほどにスゴイとは思わなかったけれど、バカ映画としては『オースティン・パワーズ』よりよっぽど面白い(ミュージカルシーンだけ負けてるけど)。
何より、三段変化する(^o^)ヴィッキー・チャオの魅力!
饅頭屋に勤めてる時には吹き出物だらけでブサイクなのに、シンは「君は美人だ」と言う。まさしくその通り。「痘痕もえくぼ」でも「主観的には美人」でもない。あのブサイクさが本物の女の美しさなのだ。あのヴィッキーを「美しい」と思えない男は、一生、女には縁がないと思え。
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06月08日(土)
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