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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■今日は一日寝て本・ビデオ……っていつもや/『Sink』1巻(いがらしみきお)ほか
「sink」という単語は「沈む」とか「衰える」という意味の動詞だそうな。名詞だと「台所の洗面台」という意味になるそうだけれど、第1話の第1コマ、まさしくその洗面台の排水溝に水が流れ込んでいくシーンから始まる。
ごく平凡な山下家の日常に少しずつ変化が現れ出したのは、息子の駿がガールフレンドの弓をストーカーの三浦から守ろうとして刺されてしまったことがきっかけだったのか、それとも父親が未成年者連続殺人事件の現場に偶然出くわした時に、異様に首の長い女を見かけたことが原因なのか。
その後も山下家の周りでは微妙に異様なことが起こり続ける。
両手が異様に長い男、井本。
電柱にぶら下がった自転車。
誰かが家の中に入りこんでいる気配。
大学の校舎の塀にめり込んでいる無数のタイヤ。
そして少しずつ「変化」していく息子の駿。
繰り返されるデジャ・ビュ。
友人の林教授は「バランスが崩れ始めているんだよ」と語るが、彼とて何かを知っているわけではない。これらの「異状」は何かの予兆なのか、それとも「啓示」なのか。いずれにせよ、このマンガを読んでいるうちに、読者の我々の心は我々の体から離れ、このアンバランスゾーンに紛れこんでいくことになるのだ。
……そう、なんだかこれ、いがらし版『ウルトラQ』になりそうな気配なんだね。どういう展開を見せるのかまだまだ先の予測はできないけれど、出だしだけでこれだけ興味を引かされると、どうしても期待が膨らんでしまう。
これ、完結したら誰かが映画にしそうだけど、中田秀夫に撮らせたらいいものになりゃしないかな。キャストは余りスター的な人を選ばないで、地味でも演技力のある人を配役してほしいね。主役の山下は内藤剛志あたりがイメージかなあ。林教授役には、ぜひとも谷啓をプッシュ(^o^)。
05月19日(日)
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